
原子力規制委員会の田中知委員長代理らが13日、廃炉作業中の高速増殖原型炉もんじゅ(福井県敦賀市)を現地調査した。使用済み燃料取り出し作業中にトラブルが相次いでいることについて、田中氏は記者団に「大事なのはこれまでのトラブルの原因と対策をよく考え、対応をしっかりしていくことだ」と述べ、工程にとらわれずに安全、着実な作業を実施することが大事との認識を示した。
規制委の現場確認は、8月30日の使用済み燃料取り出し作業開始以降初めて。もんじゅ廃止措置安全監視チームのメンバー9人が訪れた。
調査では、廃棄物処理系の操作室に立ち入り、取り出し作業中断の原因となっている燃料つかみ具の洗浄方法などについて説明を受けた。燃料の取り出しを行う操作室や、燃料出し入れ機の状況を確認。抜き取った2次系冷却材ナトリウムを一時保管しているタンクや、ナトリウム消火剤の配備状況もチェックした。
もんじゅでは年末までに100体の燃料取り出しを終える予定だったが、相次ぐトラブルのため1カ月延期された。田中氏は「我々も廃止措置計画を認可しているので、責任を持って見ていく」とし、規制委として必要な指導を行うとした。