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福島原発事故の2年前、津波対策拒む 保安院要請に東電担当者

  • 2015年9月26日
  • 08:23
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汚染水などを保管するタンクで敷地が埋め尽くされた東京電力福島第1原発=8月(共同通信社ヘリから)
汚染水などを保管するタンクで敷地が埋め尽くされた東京電力福島第1原発=8月(共同通信社ヘリから)

 2011年3月の東京電力福島第1原発事故をめぐり2年前の09年、原子力安全・保安院(当時)の審査官が、東電に具体的な津波対策を速やかに検討するよう求めたが、東電担当者が「原子炉を止めることができるのか」などと拒否していたことが、政府が25日までに公開した事故調査・検証委員会の「聴取結果書(調書)」で分かった。

 東電上層部が前年の08年7月、防潮堤建設など本格的な津波対策を先送りする方針を決めていたことは知られているが、東電が対策の必要性を認識しながら保安院の指摘を拒否していたことや、担当者間の具体的なやりとりが明らかになったのは初めて。

 公開されたのは名倉繁樹保安院安全審査官(現原子力規制庁安全審査官)、地震予知連絡会会長だった島崎邦彦・前原子力規制委員会委員長代理ら5人分。公開は昨年9月以降8回目で計246人になった。

 名倉氏は、06年に改定された原発耐震指針に照らした確認作業(耐震バックチェック)で福島第1原発を担当。名倉氏の調書によると、869年の「貞観地震」で、宮城県や福島県沿岸に及んだ大津波の実態が解明されつつあり、名倉氏は09年8月と9月、東電の担当者を保安院に呼び、津波想定の説明を受けた。

 東電の担当者は「津波の高さは海抜8メートル程度で、高さ10メートルの敷地を越えない」などと説明したが、高さ4メートルの地盤上に重要な冷却用ポンプがあるため、名倉氏は「ポンプはだめだな」と判断。「こういった結果が出るのであれば、具体的な対応を検討した方がよい」と速やかな対応を求めたが、東電は09年6月に、原発の津波評価手法を策定する土木学会に対し、12年3月の回答期限で津波評価の検討を要請済み。「土木学会の検討を待ちます」と拒否した。

 名倉氏はさらに、浸水の恐れがあるポンプを建物内に設置し、水が入らないよう防水対策の検討を要請。東電は「会社として判断できない」「(原子)炉を(保安院が)止めることができるんですか」などと強く反発し応じなかったという。

 大津波の危険性を02年の政府機関報告書で警告していた島崎氏は調書で、対策が進まなかったのは「中央防災会議が(報告書の内容を)否定したから」と指摘。「中央防災会議には土木学会と同じ委員がたくさんいた」と述べ、防災会議と土木学会、電力業界は同じ考え方だったとした。(共同)


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