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原子力規制委発足3年、理想から遠い今 設置法策定の議員インタビュー

  • 2015年9月26日
  • 08:26
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インタビューに答える自民党の吉野正芳衆院議員
インタビューに答える自民党の吉野正芳衆院議員

 東京電力福島第1原発事故を教訓に原子力規制委員会が発足し3年がたった。民主党政権時、民主、自民、公明の超党派議員立法で成立した規制委設置法の法案策定に関わった議員に、思い描いた規制は実現したかどうか聞いた。

   ×   ×

 ―当時、どんな思いで法案を作ったか。

 「原発推進の経済産業省内に旧原子力安全・保安院があり、利用と規制が一緒だったのが問題だった。私は事故前から規制当局の分離独立を訴えながら間に合わず、自分のふるさとで事故を起こしてしまった大きな責任を感じた。原発を安全に運転するため、政府からも独立した権限を持つ『三条委員会』に強くこだわった」

 ―思い描いた規制組織になったか。

 「なっていない。厳格な審査を進める一方で、コミュニケーション不足が問題だ。5人の委員は政治家と会わないが、孤立に陥ることなく、関係省庁や事業者、自治体関係者とも意見交換すべきだ。もう一つは人材育成で、大学などとも連携し、自前で原子力の専門家をさらに確保する必要がある。自民党はこれらの改善を促す12項目の提言を規制委に示した」

 ―原発ゼロを目指した民主党から自民党政権になり、規制委に対する原発推進の政治圧力が高まったとの懸念もある。

 「規制委には、圧力に屈しないだけの権力と身分保障を与えてある。『圧力に負ける』とか『独立性が失われる』と考え、政治家との接触を避けようとするのは事務局の原子力規制庁の役人たちだろう。何も怖がる必要はなく、積極的に誰とでも会い、情報収集しなければ健全な規制はできない。孤立が独立を守るというのは勘違いだ」

 ―規制委が策定した新規制基準の下で、九州電力川内原発1号機が8月11日に再稼働した。

 「二度と福島のような事故は起こさないという気持ちが本当にあれば、(事故の引き金になった東日本大震災が起きた3月11日と同じ)11日に再稼働はしない。関係者は原点を忘れていないか。日本航空の社員は、墜落事故が起きた毎年8月12日に御巣鷹山に登り、遺族と接することで事故の教訓を肌で覚える。再稼働した日も、福島県警は津波の行方不明者の捜索をしていた。原発事故で捜索が中断し、救えなかった命もある。そういう現実を理解しないと、原発の安全に魂は入らない。新基準さえクリアすれば良いという新たな安全神話を恐れている。どんな組織や制度も、魂が入らないと絶対に機能しない」

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 よしの・まさよし 福島第1原発を抱える衆院福島5区選出。自民党原子力規制に関するプロジェクトチーム座長、衆院原子力問題調査特別委員会委員長。(共同)


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