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【論説】福島第1原発炉心溶融 安全性の再評価が必要だ

  • 2011年3月13日
  • 14:04
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 福島県の東京電力福島第1原発1号機で日本の原発史上初の炉心溶融が起きた。  原子炉建屋で爆発があり、建屋外壁が吹き飛んだものの、原子炉容器そのものには異常はないという。放射線濃度も次第に縮小しているが、想定外のマグニチュード8・8という巨大地震に、「起こりえない」とされてきた極めて深刻な事態が発生した。政府は初めて「原子力緊急事態宣言」を発令した。耐震評価を含め、わが国の原子力安全政策を根本から見直さなければならない。  14基の原発が立地する福井県も、住民の安全第一に、あらゆる観点から安全対策を強化するのは当然である。原発周辺にある活断層の影響評価はなされているが、今回のような巨大地震に耐えられるのか。再評価を迫られるのではないか。  福島第1、第2原発の7基は大地震発生で自動停止。第1原発1、2号機で外部電源の供給が失われた上、津波などの影響で非常用ディーゼル発電機も動かず、緊急炉心冷却装置(ECCS)が作動しなかった。あってはならない非常事態である。  東電と経産省原子力安全・保安院は最悪の事態を避けるため格納容器内の高圧蒸気を外部に放出する緊急避難措置を取ったが、結果的に間に合わず、一部炉心溶融が起きたとみられる。  原子炉内の冷却機能を失った1号機は蒸気が充満し、気圧が高まったため蒸気を外部に放出した。同時に放射性物質が漏えいし、周辺の放射線量は1時間当たり1015マイクロシーベルトが観測された。人が1年間に被ばくする量にほぼ匹敵する量である。  政府の発表によると、原子炉建屋の爆発は、建屋と格納容器の間にたまった水素によるもので、「格納容器が爆発したものではない」という。  放射性物質の外部漏えいで、福島原発周辺住民への避難指示が出され、当初半径10キロ圏内、後で20キロに拡大した。1979年の米スリーマイルアイランド原発事故や86年の旧ソ連のチェルノブイリ原発事故の「再来」とは言わないまでも、一時コントロール不能になったことは極めて深刻だ。しかも大地震による事故は例がない。地震国・日本にとって原子力政策を揺り動かす事態だ。  地震発生から、原子炉施設で一体何が起こったのか。どう対処しているのか、周辺住民への甚大な影響が懸念されるのに、情報が伝わらず、事態の深刻さだけが一人歩きした。それは「想定外の事故」だったからだ。  政府発表は住民らの不安感をあおらないよう、慎重を期した。そのため実態が逐一分からず、関係自治体も困惑したのではないか。原子力地域防災計画に基づく住民避難は基本的に半径10キロだ。それがなぜ20キロ圏内になったのか。「念のため」とは言え、一度避難した住民が再度避難する際、現場で混乱が起きた。万一の場合、いち早く避難させる態勢づくりが急務である。  状況が分からないことが混乱、ひいてはパニックを引き起こす。国、電力側はあらゆる対策を講じ、被害拡大防止に全力を挙げてもらいたい。  福井県の受けた衝撃も大きい。県は県内原発に非常用発電機の点検を要請、異常なしを確認した。だが、非常用の電源車については関電が1台配備しているだけで日本原電、原子力機構にはないことが判明した。県は放射線監視支援のため原子力安全対策課職員らを福島県に派遣した。立地県として現状を直視してきてほしい。  世界的に原子力ルネサンスの動きがある中で、新興国に原発の売り込みを図ってきた日本の売りは「安全性」である。世界は大地震と大津波に未曽有の原発事故に向き合う日本の対応を注視している。国力を挙げて難局の克服に取り組んでほしい。


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