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核燃料の地層処分候補地、進まぬ選定 もんじゅとプルサーマル(18)

  • 2010年10月10日
  • 13:12
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オレンジ色のふたの下に英仏から返還されたガラス固化体が収められている高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センター。搬出先となる地層処分場の場所探しは難航している=9月13日、青森県六ケ所村
オレンジ色のふたの下に英仏から返還されたガラス固化体が収められている高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センター。搬出先となる地層処分場の場所探しは難航している=9月13日、青森県六ケ所村

連載「動き出す2つの環 もんじゅとプルサーマル 第3部・後処理の行方 (5)地層処分の候補地」

 使用済み核燃料の再処理に伴い発生する高レベル放射性廃液を、ガラスで固めてできる「ガラス固化体」。放射能レベルは「人間が近づけないほど高い」というガラス固化体を受け入れ、保管する容量を増やすため、日本原燃の高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センター(青森県六ケ所村)では増設工事が急ピッチで進められている。

 1995年以来、7月末までに1338本受け入れ、容量1440本の限界に近づいている。増設後の容量は2880本。「ここがいっぱいになれば、NUMO(原子力発電環境整備機構)の出番」と広報担当者は苦笑交じりに話す。

 将来は地中深くに埋設する「地層処分」を行う方針で、実施主体として2000年に設立されたNUMOが候補地の選定に当たっているが、めどは立っていない。

   ■  ■  ■

 国内初の商業炉、日本原電東海原発が営業運転を開始した1966年以降、全国の原発で使った核燃料をすべて再処理すると、ガラス固化体は約2万3100本に上る。現在のペースで運転を続ければ年間約1300~1600本ずつ増え、2021年には約4万本相当に達するという。

 同センターでの貯蔵はあくまで「一時的な貯蔵」との位置付けだ。最終的には最終処分地をどこかに求め、地下深く埋めることになる。

 高レベル放射性廃棄物の地層処分には、気の遠くなるような長期間の管理と安全確保が必要だ。まずガラス固化体を専用施設で30~50年冷却した後、地下300メートルより深い地層に建設した施設に埋設する。地下施設では、坑道への定置と埋め戻し、新しい坑道の建設が約50年にわたり同時に進められる。放射能レベルがウラン鉱石と同程度まで下がるには約1万年かかるという。

 青森県は地層処分を県内で行わないとの担保を繰り返し国に求め、地層処分の研究所がある北海道、岐阜県も最終処分地にしないよう確約を迫ってきた。

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 NUMOは02年、処分場の候補地を全国からの公募で探し始めた。これまで選定に向けた文献調査に応募したのは07年の高知県東洋町だけ。しかし、同町でも調査の是非を争点とした町長選で反対派が勝ち、応募は撤回された。その後、首長や議会が誘致の意向を示した自治体はあるが、住民や周辺自治体の反対で具体化はしなかった。

 NUMO広報部はさまざまな影響が出るとの理由から「現時点で応募や問い合わせがあるかどうかはいえない」と言葉を濁す。全国を回る説明会や集中的なPRを展開するが、地道な理解活動以外に妙案はないのが現状だ。

 選定の難航を受け経済産業省資源エネルギー庁は、国が直接市町村に選定に向けた調査の実施を申し入れる仕組みも導入した。同庁原子力立地・核燃料サイクル産業課は「問い合わせは定常的にあり、関心を持つ自治体はあると認識している」とし、当面は公募で候補地選定を目指す姿勢を崩さない。その一方で「自治体が具体的に絞られれば、直接申し入れも選択肢の一つ」と含みを持たせる。

 原子力委員会は現在、原子力利用の基本方針となる原子力政策大綱を見直すかどうかの検討中。近藤駿介委員長は「(再処理工場や地層処分が)遅れているからといって、核燃料サイクル路線が間違っているという議論をすべきではない」と強調する。しかし、バックエンド(後処理)の問題をいつまでも先送りしたままでいいはずはない。(おわり)

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 高速増殖炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)が2010年5月に運転再開し、関電高浜原発3号機では国内4番目となる本格的なプルサーマル発電の開始が迫る。核燃料サイクルの「二つの環(わ)」が動きだす一方で、先行きが不透明なままの使用済み核燃料再処理を含めたバックエンド(後処理)の現状を追った。


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