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廃棄物の行方見えず 先行ふげん、敷地内に滞留 もんじゅ廃炉の課題(中)

  • 2018年9月1日
  • 09:21
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解体などで出た低レベル放射性廃棄物が山積みされている貯蔵庫=福井県敦賀市のふげん(日本原子力研究開発機構提供)
解体などで出た低レベル放射性廃棄物が山積みされている貯蔵庫=福井県敦賀市のふげん(日本原子力研究開発機構提供)

 「これから廃止措置が進むにつれて廃炉廃棄物が出る。長期的に見れば大きな課題になる」。原子力規制委員会の更田豊志委員長は6月30日、敦賀市で開かれた地元関係者との意見交換会でこう指摘した。


 高速増殖原型炉もんじゅ(敦賀市)の廃炉に伴う放射性固体廃棄物の合計は約2万6700トン。放射性廃棄物は汚染度で3区分され、汚染度に応じた方法で埋設処分される。廃棄物は放射性でないものも含めれば膨大な量となるが、汚染のないものや、除染をして汚染が基準を下回ったもの(クリアランス)は一般の産業廃棄物として処分や再利用することになる。


 廃炉が先行する日本原子力研究開発機構の新型転換炉ふげん(敦賀市)をみると、発生する廃棄物の総量は約36万トン。2017年度末で約1400トンの解体を終えたが、1200トン超が敷地内にとどまったままだ。8月31日にクリアランス適用に向けた認可がようやく下り、汚染度測定は始められるが、実際に再利用や処分の方法を決めるのは容易ではない。


 更田委員長は廃炉廃棄物について「汚染度の低いものは、敷地内での処分が技術的に有利」と、処分場の確保へ一石を投じた。しかし西川一誠知事は「そんな考えはない。どんなごみも県外搬出だ」と一蹴した。


 ある原子力事業者の社員は「どんなごみも、と言い切るとは…」と絶句。地元関係者にも「県外搬出にこだわれば、もんじゅもふげんも、長い間外に出せないのでは」との懸念が渦巻く。
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 解体廃棄物のみならず、使用済み燃料の処理も大きな問題だ。もんじゅの燃料を再処理できる施設は国内にない。ふげんの燃料はフランスへの搬出で最終調整局面に入ったが、もんじゅもこれに続く以外に現実的な解決方法はない。


 取り扱いが難しい冷却材ナトリウム1670トンをどう処分するかも、答えは見つかっていない。ナトリウムや、その化合物はさまざまな用途で使えるが、放射能を帯びた1次系ナトリウムは抜き取りが難しい上に利用方法は限られる。高速炉の廃炉実績のあるフランスでは、ナトリウムは塩化ナトリウムや水酸化ナトリウムに形を変えて処理する方式を取った。


 機構関係者は「燃料やナトリウムは、(日仏共同研究を予定するフランスの高速炉)アストリッドで使ってもらうのも一手だろう」と語る。燃料とナトリウムの処理処分方法は、政府が22年末の燃料取り出し完了までに決めることになっているが、決まらなければ廃炉作業はそこで頓挫する。
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 課題の先送りが繰り返される廃棄物の問題を、地元から解決しようという動きも出てきた。


 NPO法人原子力資料情報室(東京)が中心となり結成された研究グループは、核燃料やナトリウム、解体廃棄物の県外搬出に固執せず、処理方法の開発を県のエネルギー研究開発拠点化計画に位置づけるよう提案した。


 福井大産学官連携本部協力会の原子力技術研究部会も8月24日、クリアランスのリサイクルに関する研究会を立ち上げた。第1回会合で演壇に立った同大附属国際原子力工学研究所の柳原敏・特命教授は「原子力に関しては国が言うことしかやらない、という構図に陥りがちだが、それでは何も解決しない。産学連携で課題解決のアイデアを出していく」と意気込んだ。


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