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福島県の酪農の起爆剤狙う新モデル 原発事故で休業中の酪農家支援へ

  • 2015年9月20日
  • 09:21
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建設が進む「復興牧場」を案内する田中一正さん=8月、福島市
建設が進む「復興牧場」を案内する田中一正さん=8月、福島市

 東京電力福島第1原発事故で避難を強いられ休業中の酪農家を支援するため、福島市で建設が進められている「復興牧場」が、完成まで大詰めの段階に入った。大規模化と共同経営による新たな酪農モデル作りを目指した牧場で、地盤沈下が続く福島県の酪農の起爆剤になるとの期待も高い。

 8月下旬、約4ヘクタールの牧場予定地には重機の音が響き、建設が急ピッチで進んでいた。昨年始まった工事も最終盤で、今月25日に施設が完成、10月上旬には操業が始まる予定だ。

 この牧場を共同で経営するのは、同県南相馬市、浪江町、飯舘村の30〜50代の酪農家5人。いずれも原発事故によって避難を余儀なくされたが、酪農再興を目指す福島県酪農業協同組合の呼び掛けに応じ、この事業に参加した。

 「東電に全てをめちゃくちゃにされた。負けてたまるか、との意地もある」。そう力を込めるのは、運営会社の社長を務める田中一正さん(44)。

 栃木県での牧場勤めを経て、飯舘村で就農したのは2001年。「独立したい」との夢を実現させたが、原発事故で生活は一変し、現在は福島市で避難生活を送る。自宅がある同村の長泥地区は放射線量が高い帰還困難区域に指定され、戻れるめどは立たない。

 復興牧場が目指すのは、先進的な大規模経営だ。乳牛約580頭を飼育し、生乳生産量は年5千トンを計画、東北では最大級の規模になる。田中さんは「大規模な牧場を立ち上げることで、将来独立するような人材が育ってほしい」と期待する。

 福島の酪農は深刻な担い手不足や高齢化の問題を抱えている。構造的な地盤沈下が続いていたところに、原発事故が追い打ちをかけた。

 県酪農業協同組合によると、震災前は県内に525戸あった酪農家は約350戸に。生乳生産量も震災前と比べて2割近く減った。兼業で小規模な酪農家が多い中、組合の担当者は「設備の集約化や効率化を進めた大規模経営のモデルになればいい」と復興牧場に期待を寄せる。

 従業員数は20人規模で、牧草は周辺の耕作放棄地を活用して育てる。牧場の共同経営は日本ではあまり例がなく、手探りでの運営となりそうだが、田中さんは「自分には酪農しかない。必ず軌道に乗せたい」と意気込んでいる。(共同)


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