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低レベル放射性廃棄物、岡山で敷地内埋設試験 原子力機構、22年度にも

  • 2018年8月18日
  • 10:10
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低レベル放射性廃棄物埋設処分の試験研究(イメージ)
低レベル放射性廃棄物埋設処分の試験研究(イメージ)

 日本原子力研究開発機構が、人形峠環境技術センター(岡山県鏡野町)にあるウラン粉末で汚染された低レベル放射性廃棄物を巡り、早ければ2022年度にも廃棄物を収めたドラム缶数百本を敷地内に埋設する試験研究を始める方向で検討に入ったことが17日、分かった。安全性の検証が目的だが、事実上の最終処分となる見通し。


 低レベル廃棄物は今後、全国の原発で廃炉が進むのに伴い大量に発生する見通しだが、処分先は決まっていない。同センターと同様、各原発の敷地内で埋設する流れが加速しそうだ。


 センターは1957年に発足。天然ウランに含まれる核燃料に適したウラン235の濃度を高める濃縮技術の研究を01年に終えた。センター廃止により低レベル廃棄物が約1万1千トン発生する見込みで、敷地内には既にドラム缶約1万6千本分を保管している。


 機構が検討中の試験研究は2段階。まず金属など状態が安定した廃棄物を対象に、ドラム缶に入れて素掘りした地中に埋め土壌で覆う「トレンチ処分」を実施。ドラム缶内の隙間には砂を充塡(じゅうてん)し、ドラム缶が腐食しても地表が陥没しないようにする。3年程度、周辺の放射線量や地下水へのウラン漏えいを監視する。


 安全性が確認されれば、埋める本数を増やすなど規模を拡大する。


 低レベル廃棄物の処分例は、全国の商業原発の運転中に出るものを対象にした日本原燃の施設(青森県六ケ所村)と、機構が茨城県東海村で研究炉の解体廃棄物を敷地内に埋めた2例がある。また日本原子力発電が東海原発廃炉で敷地内処分を検討しており、同センターは4例目になる。


 核燃料の製造過程で出る放射性廃棄物は「ウラン廃棄物」と呼ばれ、試験研究には基準に基づく原子力規制委員会の許可が必要だが、基準は策定されていない。規制委による策定には数年かかる見通しで、機構の計画通り進むかは不透明だ。


 


 人形峠環境技術センター 原発の核燃料製造に必要なウラン鉱石の採掘や、核燃料に適するウラン235の濃度を高める「濃縮」技術の開発を進めた日本原子力研究開発機構の施設。開発された技術は日本原燃のウラン濃縮工場(青森県六ケ所村)に引き継がれるなど、国の核燃料サイクル政策に貢献した。1988年にウラン鉱石採掘時の残土が野積みの状態で放置されていた問題が発覚。住民の激しい反対運動が起きた。01年に技術開発を終え、現在は廃止作業を進めている。ドラム缶約1万6千本の低レベル放射性廃棄物のほか、劣化ウラン約2600トンを保管している。


 


 ■敷地内処分の流れ顕在化 立地自治体理解が課題


 


 原発の廃炉などで出る放射性物質で汚染された廃棄物のうち、比較的濃度が低い「低レベル放射性廃棄物」は、各事業者が敷地内で処分する流れが顕在化しつつある。低レベルといえども住民の反対などから敷地外で新たに処分場を確保することが困難なことが背景にあるが、敷地内処分を進めるには原発の立地自治体などの理解を得られるかが課題だ。


 日本原子力研究開発機構は国内で初めて原子力発電を実施した研究用原子炉「JPDR」を廃炉にして出たコンクリートがれき約1670トンを、茨城県東海村の研究所敷地内に1995年ごろ埋設。現在も巡視点検するなどして安全性を確認している。


 また日本原子力発電は国内初の商用原発である東海原発(茨城県東海村)の廃炉などで出る約1万6千トンのコンクリートがれきを敷地内に埋設するため、2015年に原子力規制委員会に審査を申請、審査が続いている。


 こうした施設は日本の原子力産業の黎明(れいめい)期を担った。廃止作業の行方を電力各社は注目している。電力各社は運転開始から40年程度がたつ老朽原発の廃炉を相次いで決めた。放射性廃棄物が今後大量に発生することが確実で、廃棄物の処分先について判断を迫られることになる。



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