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行き場のない使用済みMOX燃料 もんじゅとプルサーマル(16)

  • 2010年10月8日
  • 13:05
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高浜原発の貯蔵プールに搬入されるMOX燃料(中央下)。使用済みとなった後も長期保管が避けられそうにない=2010年7月、福井県高浜町田ノ浦
高浜原発の貯蔵プールに搬入されるMOX燃料(中央下)。使用済みとなった後も長期保管が避けられそうにない=2010年7月、福井県高浜町田ノ浦

連載「動き出す2つの環 もんじゅとプルサーマル 第3部・後処理の行方 (3)行き場ない使用済みMOX」

 原発から出る一般の使用済み核燃料は青森県六ケ所村の再処理工場に搬出、処理されるが、軽水炉のプルサーマルや高速増殖炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)で発生する使用済みのプルトニウム・ウラン混合酸化物燃料(MOX燃料)は対象外。現状では行き場はなく、国は「第2再処理工場」でリサイクルする方針だ。

 しかし、その立地場所も建設時期も全くの白紙で、「2010年ごろから検討を開始する」としているだけだ。

 「検討を始めても(すぐに)答えが出るわけではない」。国の原子力委員会の近藤駿介委員長は、第2再処理工場の実現には今後、トータルで40年程度の期間が必要だと語る。

 プルサーマル発電が本格化しても、使用済みのMOX燃料の搬出先が決まらず、原発構内でたまり続けるのでは、との懸念は消えない。

   ■  ■  ■

 関西電力が高浜原発3号機で行うプルサーマルでは、10月中旬からの予定の定期検査でMOX燃料8体を入れ、続く2回の定検で16体、4体と増やすと想定している。原子炉に装荷するのは最大40体まで。数年後からは定検ごとの交換で数体ずつ使用済みMOX燃料が発生する見込みだ。

 国の安全審査では、最も厳しいケースとして使用済みMOX燃料1048体を貯蔵プールで保管した場合の安全性を確認している。関電は、使用済みMOX燃料の行き先が長期間確定しない場合、通常のウラン燃料を先に搬出して貯蔵プールの空き容量を確保することも可能とする。

 一方、県や高浜町は、使用済みMOX燃料の構内貯蔵は認めているものの、早期搬出が必要との立場だ。国に対しても、処理体系の明確化を強く求めている。ただ、いまだに第2再処理工場の検討さえ始まっていない状況では、原発構内での長期保管は避けられない。原発反対県民会議などは「搬出先が決まるめどはなく『核のごみ捨て場』になってしまう」と批判を強める。

 使用済みMOX燃料を再処理する技術自体も未確立だ。

 国内では、新型転換炉ふげん(現・原子炉廃止措置研究開発センター)のMOX燃料を日本原子力研究開発機構が再処理した実績があるが、プルサーマルに比べ、大半は燃焼時間が短いものだった。MOX燃料から取り出したプルトニウムは燃えにくく、軽水炉で使うには難しさがあるという。

  ■  ■  ■

 国、電力事業者、プラントメーカーなどが参加した高速増殖炉サイクル実証プロセス研究会が昨年まとめた「技術的論点整理」では、第2再処理工場に関して、技術開発に多くの費用と期間が必要な半面、民間ベースでの経費回収は困難と結論づけた。

 技術確立の点では、六ケ所村の再処理工場の大幅な完成遅れも影を落としている。国は「本格操業が始まっていれば得られた知見はあるだろうが、何もしていないわけではない。トラブルの分析などで得られたものも一方ではある」(経済産業省資源エネルギー庁原子力立地・核燃料サイクル産業課)と説明する。

 原子力委は現在進めている原子力政策大綱の見直しの議論が終わった段階で、第2再処理工場の検討を始めるとする。「六ケ所村工場の完成が遅れても『10年ごろ』(の検討開始)は約束した問題。誠実に果たす」と近藤委員長。しかし、どんな道筋で結論を導くのかは混沌(こんとん)としている。


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