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関電、使用済み核燃料の搬出先に苦慮 福井県は「県外に」に要望

  • 2018年8月8日
  • 11:06
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青森県むつ市の使用済み核燃料中間貯蔵施設
青森県むつ市の使用済み核燃料中間貯蔵施設

 関西電力が福井県内に持つ原発の使用済み核燃料の搬出先に苦慮している。福井県から「県外に」と求められ、岩根茂樹社長が「2018年中に候補地を示す」と約束。関係者の多くは青森県むつ市の中間貯蔵施設を本命とみるが、電力会社と地元の思惑が複雑に絡み合い、一朝一夕には進みそうにない。


 ▽公約


 共同通信社は6月2日、関電が中間貯蔵施設を運営するリサイクル燃料貯蔵(RFS)へ出資する方向で調整していると報じた。これに対し関電は「そうした事実は一切ない」と否定。むつ市の宮下宗一郎市長は関係各社に事情を聴いた上で「報道のような事実はないと認識せざるを得ない」と市議会に報告した。


 RFSは東京電力が80%、日本原子力発電が20%を出資して設立した。2社の使用済み燃料を最長50年間保管し、再処理工場に運び出す。


 関電は福井県内に所有する美浜、大飯、高浜の3原発で使用済み燃料の貯蔵容量が限界に近い。西川一誠知事から大飯の再稼働同意の際に県外搬出を求められ、岩根社長が昨年11月に18年中に候補地を示すと「公約」した。


 ▽窮地


 原発の敷地外で使用済み燃料を貯蔵できるよう法律が改正されたのは00年。改正に携わった国の関係者は「施設は東日本に一つ、西日本に一つ造る計画だった」と明かす。03年、むつ市の杉山粛市長(当時)が誘致を表明し、05年にRFSが設立されるまでの間、経済産業省や東電の参加呼びかけに、関電が応じなかったとされる。


 当時、関電が候補地と考えていたとみられるのは、美浜原発のある福井県美浜町や同県小浜市、火力発電所のある和歌山県御坊市だ。誘致の動きも表面化し、関電は経産省や東電に借りをつくらずに済むと考えたようだ。


 だがその後、地元で誘致の機運がしぼむと関電は窮地に。事情を知るエネルギー業界関係者は「むつしかない」と言い切る一方で、青森県の事情に詳しい東電関係者は「関電はいったん断った。地元からすれば『今更なんだよ』ということになる」と解説する。


 ▽東通原発


 関電がむつ市に搬入する場合の条件とみられるのが、東電東通原発建設への参加だ。福島第1原発事故後、建設は中断。今の東電に単独で完成させる体力はなく、政府と東電は他電力との共同事業体構想を進める。


 東電は6月、東通原発付近の地質を調査し、結果を他電力と共有する考えを公表。参加の呼び水とする狙いだが、関電などは慎重姿勢だ。東電幹部は「中間貯蔵の問題は東通とセットだ」と迫るが、ハードルは高い。


 青森県の三村申吾知事は来年6月に任期満了を迎え、その直前には県議会選挙も想定され、県政界は世論が割れる問題に敏感になりつつある。実力者の1人は「(選挙が終わるまで)動かない」と語る。


 中間貯蔵施設は原子力規制委員会の審査が長引き、RFSは6月末、今年後半の操業開始予定の延期を表明した。地元には審査終了を待って仕切り直しという空気が流れつつあり、関電の公約実現は不透明な情勢だ。



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