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中間貯蔵施設誘致動きも立地混迷 もんじゅとプルサーマル(15)

  • 2010年10月7日
  • 13:01
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日本原電と東京電力が8月末に青森県むつ市で着工したリサイクル燃料備蓄センター(中間貯蔵施設)の完成予想図。国内での立地は現段階で1カ所にとどまっている(リサイクル燃料貯蔵提供)
日本原電と東京電力が8月末に青森県むつ市で着工したリサイクル燃料備蓄センター(中間貯蔵施設)の完成予想図。国内での立地は現段階で1カ所にとどまっている(リサイクル燃料貯蔵提供)

連載「動き出す2つの環 もんじゅとプルサーマル 第3部・後処理の行方 (2)必要な中間貯蔵施設

 紀伊水道に面した人口約2万6千人の和歌山県御坊市。これまで原発や核燃料サイクルとは無縁だった街に、さざ波が立っている。原発から出る使用済み核燃料を一時保管する中間貯蔵施設の立地をめぐってだ。

 2003年3月、市会議員の有志は、中間貯蔵施設に関する勉強会を発足させた。04年6月には調査特別委員会を正式に設置し、誘致の是非が取りざたされている。

 「個人的にはぜひ誘致を目指したい」と言い切るのは、勉強会の中心となった上田季児市会議長。同市には関西電力の御坊火力発電所があり、関電の供給計画の説明資料で中間貯蔵施設に関する記述を読み、関心を持った。上田議長は「核燃料を置いておくだけの倉庫のようなもの。勉強すればするほど原子力施設の中で最も安全だと確信した」と語る。

■  ■  ■

 同市では00年、第2火力発電所の埋め立てに着工したものの、電力需要の低迷などから05年に中止。「御坊の経済を生き返らせるには中間貯蔵施設しかない」と語られるのは、誘致に伴い多額の交付金や税収を見込めるからだ。市民にも誘致を望む声はあるという。

 関電の文献調査では、立地を阻害する要因はないとの結果が出ている。11年1月に市議選を控え、調査特別委はいったん解散したが、選挙後には誘致に向けた活動を本格化させる考えだ。

 市会の動きを踏まえ、関電の八木誠社長も「より詳細な検討を進めており、ある程度結果がまとまれば(市会に)説明する。その上で(立地に向け)進めさせてもらえればありがたい」と期待を寄せる。

 推進側の動きに対し、06年には市会に1万人を超す署名とともに誘致反対の請願が提出された。根底には、一時的な貯蔵にとどまらず、なし崩し的に“永久貯蔵施設”になってしまうのでは、との懸念もあるようだ。

 周辺自治体の首長が反対を表明し、御坊市長、和歌山県知事とも慎重な立場。同市楠本光男企画課長は「行政としては何もしていないのが実情。(中間貯蔵施設を)所管する部署もなく、市民からの問い合わせもほとんどない」と言葉を選ぶ。

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 国内の原発から出る使用済み核燃料は年間約1千トン。これに対し、日本原燃の再処理工場(青森県六ケ所村)が完成して安定稼働したとしても、年間の処理能力は約800トン。すべてはカバーできないのが実情だ。

 そのため再処理まで一時的に保管する施設が求められ、電気事業連合会の02年の試算では10年に4千トン、20年には7100トンの収容能力が必要とされている。電力会社は国内で2、3カ所に中間貯蔵施設を建設する意向だが、立地が具体化したのは、東京電力と日本原電が共同出資して8月末に着工した青森県むつ市の1カ所のみだ。

 関電は当初、00年ごろに立地場所を決め、10年ごろに完成する計画だった。しかし、場所探しは難航。県内でも一時、美浜町、小浜市、高浜町で誘致の動きがあったが、県は一貫して県外立地を求め、関電も県外が基本方針だ。

 「国としても必要な施設と考えるが、自ら前面に出てという話ではない」とするのは、経済産業省資源エネルギー庁の有馬伸明原子力立地・核燃料サイクル産業課長補佐。あくまで事業者の責任で立地を進めるべきだと話す。

 御坊市の上田議長はこう嘆く。「核燃料サイクルに絶対必要な施設なのに、国はどこか及び腰。霞ケ関に話を聞きにいっても厄介ごとには首を突っ込みたくないという姿勢だ」

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 高速増殖炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)が2010年5月に運転再開し、関電高浜原発3号機では国内4番目となる本格的なプルサーマル発電の開始が迫る。核燃料サイクルの「二つの環(わ)」が動きだす一方で、先行きが不透明なままの使用済み核燃料再処理を含めたバックエンド(後処理)の現状を追った。


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