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態度一転、規制委に批判 東海第2原発再稼働「合格」

  • 2018年7月5日
  • 10:21
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東海第2原発から30キロ圏内の自治体と日本原子力発電の原発の現状
東海第2原発から30キロ圏内の自治体と日本原子力発電の原発の現状

 日本原子力発電の東海第2原発(茨城県)が7月4日、再稼働に向けて原子力規制委員会の審査に事実上合格した。厳しい態度を一転させた規制委に合格が前提になっていると批判の声も。ただ再稼働に必要な地元の事前同意を取り付けられるのかは不明で道は依然険しい。多額の安全対策費を捻出するため、電力他社が支援を表明しているが、共倒れのリスクも残る。【1面に本記】


 ▼▽変遷


 「時間的な制約から事業者にハッパを掛けているように見えたかもしれない」。規制委の更田豊志委員長は、事実上の合格と判断した直後の4日の定例記者会見でこう述べ、東海第2を巡る態度の変遷について釈明した。更田氏の発言は揺れた。「大きな判断をせざるを得ない時期にさしかかっている」。5月にはこう述べ、審査打ち切りを示唆。しかし6月の記者会見では突如「おおよその見通しを持てた」と態度を大きく変え、事実上の審査合格が近いことをにおわせた。


 東京電力福島第1原発事故後、原発の運転期間は原則40年となり、規制委が認めれば1回に限り最長20年延長可能。東海第2の再稼働には、運転期限となる11月までに再稼働や運転延長の審査に合格することが必要。そのためには、再稼働審査で7月中に事実上合格することが「ぎりぎりのタイミング」(規制委関係者)だった。


 原子力資料情報室の伴英幸共同代表は「規制委は電力会社が再稼働できない状況となる判断を避けているのではないか。審査申請した原発は全て合格となる印象だ」と述べ、審査の厳格性に不信感を示した。


 ▼▽96万人


 3月末、地元自治体が動いた。再稼働の事実上の条件となっている地元同意の対象について、立地自治体の東海村に水戸市など周辺5市も加えることを盛り込んだ安全協定が、原電との間で締結された。


 水戸市は高橋靖市長の再稼働判断時の参考とするため、有識者や市民の代表らで構成する会合の設置を検討。メンバーの調整を進めている。首都圏唯一の原発で、半径30キロ圏に全国の原発最多の96万人が居住する。東日本大震災で被災した原発でもあり、安全対策を求める声は小さくない。原電にとって再稼働へのハードルは高い。


 ▼▽国策


 原電は原発専業の卸電力会社で、東電を筆頭に大手電力会社と電源開発が株式の9割を保有する。敦賀原発1号機(敦賀市)は廃炉が決まり、2号機(同)は原子炉直下に活断層が指摘された。残る東海第2の運転延長が認められなければ、会社の存続すら危うくなり、株主の大手電力の経営に打撃となる。東海第2で発電した電気の8割を東電、残りを東北電力が購入している。運転延長に必要な多額の安全対策費に関し、東電と東北電が資金支援を表明した。東電は再建中で、経営には不安もある。3社が共倒れのリスクを背負ういびつな構図となった。


 安倍政権に対する“忖度(そんたく)”が背景にあるとの見方も。原電は、約130人の態勢で福島第1原発の廃炉に協力。日立製作所が英国で計画する原発事業にも、将来の運営関与も視野に参画している。いずれも重要な「国策」だ。「国として原電は大事な会社なのでつぶせない」。ある金融機関の関係者はこう指摘した。



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