福井と沖縄、原発と基地のニュースサイト

多大な恩恵、最終処分に容認論も 原発の行方・第5章(11)

  • 2013年2月15日
  • 05:00
  • Twitterでシェア0
  • Facebookでシェア0
  • Google+でシェア
  • 0
核燃料サイクル施設の立地による電源3法交付金や税収で財政が支えられる青森県六ケ所村の役場=2013年1月18日
核燃料サイクル施設の立地による電源3法交付金や税収で財政が支えられる青森県六ケ所村の役場=2013年1月18日

 「子どもの就職先ができるからといって、みんなで協力を決めた」。青森県六ケ所村の核燃料サイクル施設近くに住む女性(77)は、地元として施設受け入れを認めた約30年前をこう振り返る。

 青森県と六ケ所村は1984年、電気事業連合会から核燃料サイクル施設の立地協力要請を受けた。翌85年には「3点セット」として使用済み核燃料再処理工場、ウラン濃縮工場、低レベル放射性廃棄物貯蔵施設の建設を了承。日本原燃と結んだ基本協定には、安全対策とともに地元雇用の推進など地域振興の項目も盛り込んだ。

 原燃の社員約2500人のうち、半数超は県内出身者。建設・維持管理や物品納入など関連業務に携わる事業者は、六ケ所村商工会の会員283社のうち約7割を占め、経済、雇用の依存度は高い。橋本猛一村会議長は「一家に2人ぐらいは必ず原燃関係の仕事に就いている。原燃がなかったら、冬場は出稼ぎに行くしかなかった」と語る。

  ■  ■  ■

 自治体には財政面のメリットも大きい。2011年度に青森県と市町に交付された電源3法交付金は191億円で、国内最多の原発が立地する福井県の見込み額205億円と肩を並べる。1981年度からの累計は2334億円にも上る。

 核燃料税は原発の装荷燃料に限らず、再処理に伴う使用済み核燃料、英仏から返還される高レベル放射性廃棄物、濃縮ウランも課税対象。11年度は146億円を得た。福井県の平均的な年に比べ倍以上の水準だ。10年度からは燃料の受け入れ分以外に貯蔵分にも課税し「再処理が進まなくても税収につながる仕組み」(県担当者)も導入している。

 六ケ所村には1981〜2011年度に電源3法交付金423億円が入り、小中学校や診療所などの整備に充てた。古川健治村長は「一種の原燃効果だが、地域振興はまだ道半ば」との認識だ。再処理工場が稼働する今後40年をにらみ、交付金制度の一層の充実を国に求め続けるという。

 村には、7カ国が共同開発する国際熱核融合実験炉(ITER)の原型炉を誘致する構想もある。古川村長は「当分は核燃料サイクル事業、将来は夢の研究につなげたい」と、福島の事故後もエネルギー施設の誘致に力を注ぐ。

 下北半島の他の立地自治体でも担当職員は「産業がないんだから、まだまだ原子力にしがみついていかないと」と本音を漏らす。これに対し、住民からは「これから原発が減っていく。いつまでも依存体質を続けていいのか」と自立を求める声もある。

  ■  ■  ■

 青森県は県内を高レベル放射性廃棄物の最終処分場としないよう何度も国に念押ししている。

 しかし、六ケ所村内には違う思惑もある。

 古株の村議は「(最終処分場にしないと)確約されて不安が消えるかというと、うそだ。この先10年で最終処分場を決められる状況になく、当然ここに(廃棄物を)置かざるを得ない。みんな頭の隅では受け入れてもいいという感覚を持っている」と打ち明ける。

 村議は声を潜めてこう続けた。「実際に燃料や廃棄物を(村内に)持っているのが、俺たちの強み。外に持っていくまでの間は、税を取れる」


基地 from 沖縄 カテゴリーニュース

原発 from 福井 カテゴリーニュース

原発 from 福井 カテゴリーニュース

基地 from 沖縄 カテゴリーニュース