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福井の使用済み燃料、容量限界へ 原発の行方・第5章(12)

  • 2013年2月16日
  • 05:00
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高浜原発3号機の使用済み核燃料貯蔵プール。再稼働すれば関電の3原発は7年でプールが満杯になる=2013年2月
高浜原発3号機の使用済み核燃料貯蔵プール。再稼働すれば関電の3原発は7年でプールが満杯になる=2013年2月

 全国の原発で、構外へ運び出すべき使用済み核燃料が貯蔵プールにたまり続けている。

 現行の原子力政策は、使用済み燃料の全量再処理が前提。しかし、青森県六ケ所村にある再処理工場の本格稼働が大幅に遅れているからだ。再処理までの間、一時保管する中間貯蔵施設も青森県むつ市の1カ所でしか建設が進んでいない。

 福井県内では、関西電力美浜原発が貯蔵プールの管理容量680トンに対し貯蔵量390トン、高浜原発は1730トンに対し1180トン、大飯原発は2020トンに対し1400トンで、いずれも7年稼働すれば満杯になる。日本原電敦賀原発も管理容量860トンに対し既に580トンを貯蔵し、あと9年の運転で容量を超える。

 4原発とも、プール内で燃料の間隔を狭めるリラッキングやプールの増設により容量を増やし、同じ原発内での共用化も進めて何とかしのいできた。だが、限界はある。

 同県美浜町の彦惣弘明原子力対策室長は「使用済み燃料を持ち出せないと原発の運転ができず、町にとっても影響が大きい」と顔を曇らせる。

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 六ケ所村の再処理工場は再処理を前提に、先行して全国の原発から使用済み燃料を受け入れてきた。既に貯蔵プールの98%が埋まっている。

 もし、国が再処理路線を転換すれば、青森県や六ケ所村は各原発へ送り返す構えだ。福井県内から搬出した分は計2456体。全て返還された場合、4原発とも約1年運転できる程度しか余裕がなくなる。

 「使用済み核燃料は原発外、県外に出して処理するのが理想だ。国全体でいかにリスクと負担に向き合うかが大事」(野瀬豊・同県高浜町長)にもかかわらず、後処理問題の解決は先送りされてきた。今、そのツケが回ってきた格好だ。

 原子力資料情報室の伴英幸共同代表は「電力会社はおしりに火がついているはずなのに、真面目に考えていない」と手厳しい。

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 日本学術会議は昨年9月、高レベル放射性廃棄物の「総量管理」という概念を示し、処理方策を解決しないままでの廃棄物の増大に警鐘を鳴らした。伴氏は「総量管理は上限の確定という意味で重要。原発の運転期間を決めることと、ほぼ同じ意味合いになる」と評価する。

 停止中の原発の再稼働を判断する上で、安全性だけでなく、貯蔵プールの余裕度も考慮する必要があると指摘するのは金子勝慶応大教授。「古い原発ほどプールには空きがない。再稼働を認めるのは余裕がある新しい原発に絞り込むべきだ」と話す。

 中間貯蔵施設の建設場所探しに時間がかかっている上、東京電力福島第1原発事故では貯蔵プールにためておく危険性が浮き彫りになったことから、乾式キャスクと呼ばれる金属製容器に使用済み核燃料を入れて貯蔵する方式もクローズアップされている。

 ただ、日本原電東海第2原発(茨城県)や福島第1原発では構内での乾式貯蔵に実績があるが、福井県内ではこれまで検討されてこなかった。

 同県おおい町の時岡忍町長は現実的な策として乾式貯蔵を検討すべきだとし「立地住民はもとより国民の合意が得られるよう、国は制度などを含めて早急に議論してほしい」との見解を示している。


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