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中間貯蔵施設の立地実現むつだけ 原発の行方・第5章(13)

  • 2013年2月17日
  • 05:00
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2013年10月の事業開始を目指し建設が進む使用済み核燃料の中間貯蔵施設。夕方には照明を付けて工事をしていた=2013年1月17日、青森県むつ市関根水川目
2013年10月の事業開始を目指し建設が進む使用済み核燃料の中間貯蔵施設。夕方には照明を付けて工事をしていた=2013年1月17日、青森県むつ市関根水川目

 青森県むつ市の中心部から下北半島を北上して津軽海峡に近付くと、巨大なクレーンの動く建設現場が目に飛び込んできた。2013年10月の事業開始を目指し、使用済み核燃料の中間貯蔵施設が造られている。

 東京電力と日本原電が共同出資するリサイクル燃料貯蔵が事業主体となり、容量計5千トンの建屋2棟を順次建設。両社の使用済み核燃料を再処理するまでの間、一時的に保管する。

 経済産業省資源エネルギー庁は、全国の原発50基が稼働した場合に生じる使用済み核燃料を年間約900トンと試算する。これに対し、六ケ所村の再処理工場が本格稼働しても年間処理量は800トン。毎年100トンずつが処理しきれず、貯蔵が必要になる。

 エネ庁の鈴木洋一郎放射性廃棄物等対策室長は「原発が今後再稼働して続く限りは、中間貯蔵の役割は重要性を増してくる」と強調する。関西電力なども建設する方針だが、場所探しは難航。これまで立地が実現した例はむつ市しかない。

  ■  ■  ■

 青森県とむつ市は05年、施設での使用済み核燃料の貯蔵期間を50年間に限定する協定を事業者と結んだ。宮下順一郎むつ市長は「最終処分までの流れの中では貯蔵するのは“超短期間”だけ。協定内容から永久貯蔵ということは決してあり得ない」と語る。

 ただ、中間貯蔵施設は再処理しきれない燃料の貯蔵が目的。そのため貯蔵を終えた燃料は現在の再処理工場で受け入れる計画になっておらず、50年後の搬出先は確定していない。

 「地元が核のごみ捨て場になる」と不安を口にするのは「核の『中間貯蔵施設』はいらない! 下北の会」の野坂庸子代表。誘致当時に開かれた市民説明会でも搬出先をただす声が出たが「事業者は『それは40年後に考えること』と回答していた」という。

 また、05年策定の原子力政策大綱では、中間貯蔵した燃料を処理するため「第2再処理工場」を検討するとしていたが、構想は全く具体化していない。宮下市長は誘致の前提だとして国に検討を求めている。

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 「発電は引き受けてきたが(使用済みの)燃料は引き受けられない」。西川知事は12年6月、関西電力大飯原発3、4号機の再稼働に同意すると当時の野田佳彦首相に伝えた際、中間貯蔵対策の強化を求めた。電力供給により恩恵を受けた「消費地の責任」という問題を投げ掛けた。

 国は使用済み核燃料の処分方法などを話し合うため対策協議会の設置を決め、11月から全国の都道府県に参加を呼び掛けた。しかし、名乗りを上げたのは本県と茨城県だけ。エネ庁核燃料サイクル産業課は「消費地の参加は、メンバーを詰めていく上で課題となる」とするが、開催のめどは立っていない。

 実際に受け入れたむつ市の宮下市長は「発電所と違って非常に安全。事故は全く考えられない」と“迷惑施設”のイメージを否定。原子力委員会の鈴木達治郎委員長代理も「消費地が受け入れられるリスクとしては可能性が高い」として協議会の行方に期待感を示す。

 しかし、東京電力福島第1原発事故後、核廃棄物に対する“拒否反応”も増している。

 宮下市長はいう、「消費地がどういう考えを示すのか、現実論として誠意ある議論をすべきだ」と。


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