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溶けた燃料、難航必至の福島廃炉 原発の行方・第5章(17)

  • 2013年2月22日
  • 05:00
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複数の原子炉で炉心溶融を起こし、世界でも例のない困難が予想される福島第1原発の廃炉。手前から同原発4、3、2、1号機=福島県大熊町
複数の原子炉で炉心溶融を起こし、世界でも例のない困難が予想される福島第1原発の廃炉。手前から同原発4、3、2、1号機=福島県大熊町

 東京電力福島第1原発事故で、1〜3号機は炉心溶融(メルトダウン)を起こした。炉心にあった核燃料は溶け崩れ、原子炉圧力容器を突き抜けて格納容器の底まで落ちている。

 東電は30〜40年で1〜4号機の廃炉作業を終える計画。だが、複数の原子炉で炉心溶融した原発の廃炉は、世界で前例のない難事業だ。

 放射性廃棄物の処分問題に詳しく、事故後には内閣官房参与を務めた田坂広志多摩大大学院教授は「福島原発の廃炉は従来の廃炉とは全く違う概念。40年は官僚が、とりあえずの楽観的計画として決めただけではないのか」と指摘する。

 高レベル放射性廃棄物と化した核燃料を回収できるのか。回収後、どこへ移すのか。廃炉で出る強い放射能を帯びた解体ごみを含め、どう処分するのか…。解決の極めて難しい多くの問題に直面している。

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 3段階に分けた廃炉の工程表によると、第1期(2年以内)で使用済み燃料プールの燃料取り出しを開始。第2期(10年以内)では原子炉内で溶けた燃料の撤去を始め、第3期(30〜40年後)で建屋の解体を終えるとしている。

 2012年末、現地を視察した安倍晋三首相は政府が廃炉に主導的な役割を果たすと表明。廃炉時期の前倒しを目指す構えだ。

 しかし、田坂教授は安易な楽観論を戒める。

 1〜3号機では、核燃料と圧力容器が融合して溶けている状態とみられる。全く管理されていない形状、性質を持つ高レベル放射性廃棄物を取り出すのは容易でないからだ。

 燃料溶融が約45%にとどまり、福島より事故レベルが低かった米スリーマイルアイランド原発ですら、燃料回収を終えるまでに11年かかった。

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 国内では現在、商業炉で日本原電東海原発(茨城県)、研究炉としては敦賀市にある日本原子力研究開発機構の原子炉廃止措置研究開発センター(ふげん)の計2基が廃炉作業中。まず使用済み燃料を取り出し、放射線量が低い部分から解体するという手順だ。

 しかし、福島での廃炉は状況が全く異なる。

 原電OBで敦賀原発での勤務経験もある北村俊郎さん(68)=福島県富岡町出身=は「事故でつぶれたわけではない東海原発とは比較にならないほど大変」とみる。予定通りの廃炉には人員、資金の集中投入が必要とも訴える。

 燃料の回収などではロボットの活用が期待されるが、田坂教授は「人間が近づいたら即死する高放射線の下ではロボットも誤作動する」。回収した廃棄物を処理する技術の開発にも相当の年月がかかるとの認識だ。

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 廃炉の過程で生じる大量の高レベル放射性廃棄物は一体どこに運ぶか。

 「廃炉の最終段階までに決めればよいので、少し時間はあるが、まず他の地域で引き受けるようにはならないと思う」と悲観的な見方を示すのは、自らも避難生活を送る北村さん。原発の敷地内か、近くの地域が最終処分地になるならば、古里への帰還と復興を目指す住民に一層の過酷な負担を強いることになる。

 福島第1原発の地元で全域が帰還困難区域などに指定されている大熊町の渡辺利綱町長は「国は県外に撤去すると言っている。法制化し、しっかり守ってもらう必要がある」とくぎを刺す。


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