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地震、火山…地下深く埋設安全か 原発の行方・第5章(7)

  • 2013年2月9日
  • 05:00
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深度300メートル地点に水平方向に延びる研究用の坑道。地下水の流れなどを研究している=1月25日、岐阜県瑞浪市の瑞浪超深地層研究所
深度300メートル地点に水平方向に延びる研究用の坑道。地下水の流れなどを研究している=1月25日、岐阜県瑞浪市の瑞浪超深地層研究所

 高レベル放射性廃棄物をガラス固化体にして地下深く埋める地層処分で安全は保てるのか。国は1999年、「技術的な信頼性がある」との見解を示した。

 実際の地質環境で確認するため日本原子力研究開発機構は、幌延深地層研究センター(北海道)と瑞浪超深地層研究所(岐阜県)で実証研究をしている。

 ガラス固化体はステンレス製容器に詰め、オーバーパックという厚さ20センチの金属容器で密封。吸水すると膨張し、すき間を埋める厚さ70センチの粘土を緩衝材として覆い、300メートルより深い地中の岩盤に穴を掘って埋める。人工と天然の多重バリアーにより、放射能が大きく減るまでの1千年間、ガラス固化体と地下水の接触を遮断できるというのが国の評価だ。

 その上で1千年後にオーバーパックが破損し、7万年の間にガラス固化体が全て溶解。地下水により放射性物質が地表に届くと仮定しても、漏れる放射性物質の最大値は自然界の数値を大きく下回ると計算している。

  ■  ■  ■

 瑞浪超深地層研究所では、主に花こう岩を対象に断層の分布や岩盤の強さ、地下水の流れ、水質などを研究している。地下500メートルまで掘り下げられた立て坑をエレベーターで降りると、深度300メートル地点では水平方向に研究用の坑道が延びていた。

 地層処分研究開発部門の伊藤洋昭技術主席は「深い地下では地下水の流れが遅く、酸素がないため金属がさびにくい」と語り、地層処分は技術的にもコスト的にも可能と説明する。

 これに対し日本学術会議は超長期の安全性について「現時点で入手可能な科学的知見に限界がある」との見解を昨年9月にまとめた。同会議の今田高俊検討委員長(東京工業大大学院教授)は、日本では火山や地震の活動が活発でリスクを伴うと強調。「万年単位の将来の地層が絶対に安定していると言える科学者はいなかった」と地層処分の見直しを求める。

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 国は、ウラン鉱石と同様の放射能レベルまで下がるのに数万年かかるからこそ、地下深くに埋めて生活圏から隔離するという考え方だ。資源エネルギー庁放射性廃棄物等対策室の鈴木洋一郎室長は「見えない不安感はあるが、地層処分は国際的な共通認識」と話す。

 「世代から世代を超えて見張るときに(廃棄物の存在を)忘れても大丈夫なように地下で隔離する」と語るのは原子力安全研究協会放射線・廃棄物安全研究所の杤山修所長。原子力の恩恵を受けた現世代のツケを将来世代に残すべきではないとの意見は根強い。

 地震や火山の影響を絶対に受けないと保証できる場所を選ぶのは現時点で不可能で、地下水の流れも不明な点が多い―との慎重意見も少なくないが、伊藤技術主席は「評価の不確実性を織り込んだ上で、裕度をもって判断すればいい」と理解を求める。

 しかし、原子力や土木の研究者でつくる「地層処分問題研究グループ」の志津里(しづり)公子事務局長は、国民には地層処分の課題がほとんど知られていない点を指摘。「現世代の責任という名分の下でスケジュールを優先させれば、後の世代にさらなる負の遺産になるのではないか。どうしても残るリスクを、社会が共有できないといけない」と訴えている。


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