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運転ありきのエネルギー拠点化計画 もんじゅとプルサーマル(12)

  • 2010年3月25日
  • 12:46
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産学官のトップがエネルギー研究開発拠点化計画の進め方を協議した推進会議。計画の中核にはもんじゅが据えられている=2009年11月、福井県敦賀市の若狭湾エネルギー研究センター
産学官のトップがエネルギー研究開発拠点化計画の進め方を協議した推進会議。計画の中核にはもんじゅが据えられている=2009年11月、福井県敦賀市の若狭湾エネルギー研究センター

連載「動き出す2つの環 もんじゅとプルサーマル 第2部・もんじゅ迫る判断 (6)エネルギー拠点化計画」

 原発を単なる“発電工場”にとどめず、技術や人材の集積を生かし、原子力・エネルギーに関する研究開発拠点へと転換する―。そうした理念の下、福井県は2004年からエネルギー研究開発拠点化計画を進めている。その中核に位置付けられているのが高速増殖炉「もんじゅ」だ。

 拠点化計画の一環として日本原子力研究開発機構は、高速増殖炉をめぐる国際的な研究施設の建設計画をいくつも打ち出している。もんじゅに隣接する敦賀市白木のFBRプラント工学研究センターでは、12年度にプラント実環境研究施設、15年度に新型燃料研究開発施設の開設を目指す。ナトリウム取り扱い技術の高度化や新型燃料の研究などを進め、技術移転、人材育成拠点にする狙いだ。

 ただ、一連の施設はいずれも、もんじゅで得られるデータを活用するため、運転再開なくしては成り立たない。「もんじゅは拠点化計画で大きな役割を持つが、燃料の研究などは動かないと話が進まない」と県の森近悦治総合政策部長。拠点化計画はもんじゅの運転再開と表裏一体なのだ。

  ■  ■  ■ 

 県が拠点化計画に乗りだした背景には、原発が集中立地しながら地場産業は育たず、自立する形での地域振興につながっていないとの反省があったからだ。“迷惑施設”を抱える負担の見返りに地域振興を引き出そうとする従来の受け身的な姿勢を脱し、もんじゅから派生する先端技術の利活用をより積極的に位置付けようとした。

 計画策定から丸5年。西川知事が昨年11月の推進会議で「県民に見える成果を早く示すことが必要。地元企業の連携や新たな産業の誘致により、産業の活性化に重点的に取り組まなければならない」と強調した通り、理念の実現はこれからだ。

 現在、敦賀市が特に期待を寄せるのは、11年度完成を見込む広域連携大学拠点の中核施設「福井大附属国際原子力工学研究所」。高速増殖炉技術研究開発推進交付金の敦賀市分20億円を活用し、JR敦賀駅西地区に建設される。

 河瀬一治市長は「駅西地区のにぎわい創出や学生らの利便性などを考えると駅西が望ましい」と語り、まちづくりにも生かしたい考え。空洞化が叫ばれて久しいJR敦賀駅周辺に学生たちが行き交う-。そんな青写真を描いているようだ。

 地場産業の育成に関しても有馬義一敦賀商工会議所会頭は「もんじゅを核に新産業が生まれる」とする。

 しかし“他力本願”だけでは、まちや産業の活性化も絵に描いたもちに終わりかねない。

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 研究開発や技術移転、人材育成の中核として当て込むもんじゅ。だが、再開してもいつまでも運転が続くわけではない。拠点化計画を担当する敦賀市の角野和洋企画政策部特任部長は「もんじゅの使命が終わった後も視野に入れた計画を進めなければならない」と語り、長期的なビジョンの必要性を挙げる。

 原発に頼った地域活性化に対する批判もある。「地域振興」と「負担の代償」とは別次元の問題と指摘するのは原子力資料情報室の西尾漠共同代表。「原発関連の恩恵がなくなっても、地域が自立できるようにするのが本当の地域振興。ことあるごとに次の恩恵を求めていては、地域はいつまでたっても変わらない」と疑問を投げかけた。v   ×  ×  ×

 2010年3月、もんじゅの運転再開を認めるか、福井県と敦賀市の判断が迫っている。安全性や地域振興、合意形成など何が問われているのかを検証する。


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