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原発建設と核燃料処分策はセット 原発の行方・第5章(4)

  • 2013年2月6日
  • 05:00
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オルキルオト原発1号機(右)と建設中の3号機=1月14日、フィンランドのオルキルオト島
オルキルオト原発1号機(右)と建設中の3号機=1月14日、フィンランドのオルキルオト島

 沸騰水型軽水炉2基が稼働するフィンランドのオルキルオト原発の構内には、使用済み核燃料を40〜50年間プールで保管する中間貯蔵施設も設置されている。原発でのさまざまな作業で出る低・中レベル放射性廃棄物の処分場も1992年から操業している。

 「原発で発生するごみの管理は全部、この一つの島で行う」と説明するのは、同原発を運営するTVO社のアンナ・レヘティランタ副社長。ヘルシンキの東側にあるロビーサ原発でも同様に、中間貯蔵施設と低・中レベル処分場を備えている。

 冷却を終えた使用済み核燃料は、オルキルオト島に造る予定の最終処分場に運び込んで埋設される。処分場が完成すれば核のごみの処理工程が完結する形だ。

 加えて、新しい原発を建設する場合も、使用済み核燃料を処分する具体的な見通しを示す必要がある。バックエンド(後処理)問題を先送りしたまま50を超す商業炉を造った日本とは極めて対照的だ。

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 オルキルオト原発では現在、次世代型の欧州加圧水型軽水炉(EPR)として3号機の建設が進む。出力160万キロワットで、完成すれば世界最大級。原子炉は8割ほど完成している。TVO社は4号機も計画し、国は2010年に増設計画を許可した。

 「新しい原発を建設する際の基準として、エネルギー需要、適切な立地環境、そして放射性廃棄物の管理という三つの要素を満たす必要がある」と語るのは、エネルギー政策を所管する雇用経済省エネルギー局のヘルコ・フリート次長。

 3、4号機増設に対応する形で最終処分事業を行うポシバ社は、処分場の容量拡大を政府に申請した。2基から新たに出る使用済み核燃料は、運転期間約60年の場合に各約2500トン(ウラン換算)と試算。処分容量を稼働中の国内原発4基分の4千トンから、6基分9千トンに拡大し、国も承認した。

 ポシバ社のレイヨ・スンデル社長は「増設計画で廃棄物の処分を明示するのは、政治的にも社会的にも重要だ」と力説する。

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 同様の考えに基づき、処分費用の確保もあらかじめ求められる。

 TVO社とロビーサ原発を運営するフォルトゥム社は、電気料金に上乗せし、国の基金に積み立てている。稼働中の4基とオルキルオト3号機を含めた計5基分では、約33億ユーロ(約4千億円)が必要という。

 フィンランドの仕組みは、その年までに発生した処分量の処理費や廃炉費を毎年見積もり、積み立てるべき額を基金に組み入れる。「いま原発を全部中止しても、発生した全廃棄物の処分ができる」(スンデル社長)とする。

 ただ、フィンランドで新増設の全てが順調なわけではない。中西部ピュハヨキでの新設は、使用済み核燃料の最終処分先が決まらず、建設できるか不透明。オルキルオト3号機は工期が遅れ、建設費も膨らんでいる。

 ヘルシンギン・サノマット紙のヘイッキ・アロラ記者は「新増設の方向性にダメージを与え、国が胸を張れていた原子力の信頼性に傷がついてきた」と指摘している。


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