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規制機関をフィンランド国民信頼 原発の行方・第5章(5)

  • 2013年2月7日
  • 05:00
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フィンランドで原子力施設の安全規制に当たり、高い独立性を持つ「放射線・原子力安全センター(STUK)」=1月16日、ヘルシンキ
フィンランドで原子力施設の安全規制に当たり、高い独立性を持つ「放射線・原子力安全センター(STUK)」=1月16日、ヘルシンキ

 フィンランドで原子力施設の安全規制に当たるのは、社会保健省傘下の独立機関「放射線・原子力安全センター(STUK)」だ。原発や使用済み核燃料の最終処分場の審査、監督を担っている。

 活動の基本として「専門性」「情報公開」「正直」「協力的」の4点を掲げる。「放射能から国民の安全と健康を守るため、私たちは常に国民の側に立っている」とSTUKのテロ・バルヨランタ所長は説明する。

 エウラヨキ町がオルキルオト島に最終処分場を受け入れた背景について「STUKに対する住民の大きな信用があった」と語るのはハッリ・ヒーティオ町長。政府関係者が「国民の信頼は警察以上」と語るほどで、透明性、独立性に裏打ちされた判断が国民の安心にもつながっている。

  ■  ■  ■

 STUKは1958年に設立した。職員数は現在356人。原発の監視や安全検査、再稼働の許可などのほか、研究所を有し、市民が持ち込む食品などの放射能検査も行っている。これまで原発で起きたトラブルは異常事象レベル程度で、大きな事故はない。過酷事故の防災対策は15年前から取り組んできた。

 組織の独立性を重んじる姿勢も強い。職員採用は修士課程レベルの大卒から一般の技術専門家まで幅広いが、国や電力会社からの出向はない。予算面でも、年間予算の50%は電力会社に対する原発の検査料、13%は一般からの放射能検査の依頼料など。残る37%が政府からだが、主に研究費という。

 フィンランドの原子力政策は雇用経済省が所管するが、国が原子力施設の導入について重要決定をする際、STUKの承認なしでは進まない決まりだ。しかもSTUKの安全審査や決定は「大臣や政治家の意見を一切聞かない」(バルヨランタ所長)というほど推進側とは一線を画している。

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 最終処分場に関してSTUKは、建設地の選定、建設許可、操業許可の各段階で安全審査にかかわる。建設地をオルキルオト島に決める段階の2000年には、安全面で肯定的な見解書を政府に提出。これを受け、地元のエウラヨキ町議会は同意した。

 STUKは01年には最終処分の長期安全性に関する指針を策定。最終処分事業を行うポシバ社はこの指針に沿って、オルキルオト島の地下施設「オンカロ」で岩盤の特性などを調査し、昨年末には処分場の建設許可を国に申請した。

 1万6千ページにも及ぶ申請書類を通してSTUKは同社の調査内容や地質の適性を審査する。ほかにも▽使用済み燃料を入れた容器が1万年間機能するか▽数万年後に氷河期が来て厚い氷が覆った場合の地盤への影響―など長期間の安全性をチェック。「仮に安全と評価できなければ、中止を求める」(バルヨランタ所長)と厳しい姿勢で臨む方針だ。

 将来の何世代にもわたる最終処分場の安全をどう守るのか―。STUK内では、よく議論するという。バルヨランタ所長はこう語り、長期間の監視を続けていく方針を強調した。「私たちは1万年後でも最終処分場の安全を忘れない」


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