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電源の町がなぜ最終処分場も受容 原発の行方・第5章(3)

  • 2013年2月5日
  • 05:00
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原発隣接自治体のラウマ市が用地を貸しているフランスの原子力大手アレバの学校。市も原発関連の経済的恩恵を受けている=2013年1月15日、フィンランド
原発隣接自治体のラウマ市が用地を貸しているフランスの原子力大手アレバの学校。市も原発関連の経済的恩恵を受けている=2013年1月15日、フィンランド

 使用済み核燃料の最終処分場予定地となるフィンランド・オルキルオト島は、人口約6千人のエウラヨキ町にある。1978年にオルキルオト1号機が運転を開始して40年近く、原発と共生してきた町は、なぜ処分場まで受け入れたのか。

 「キーワードは『責任』」と語るのはハッリ・ヒーティオ町長。「私たちが原発のエネルギーで利益を得たのなら、廃棄物の責任も取らないといけない」と説明する。

 福井県の立地自治体と同じように、エウラヨキの町財政や地元経済は原発依存度が高い。町税収に占める原発関連の割合は25%。電力会社のTVO社と最終処分事業を担うポシバ社からの不動産税が大きい。雇用面でも、町人口の約1割は原発従事者で、サービス業なども恩恵を受けている。

 ポシバ社は処分場に関する情報誌を定期的に配布したり、住民説明会を頻繁に開いてきた。「大事なのは信頼。第一は原発自体を安全に長年運転すること。そして情報をオープンにして意思疎通を図れば、住民も受け入れてくれる」と同社の担当者は語る。

  ■  ■  ■

 フィンランドで最終処分場の候補地の調査・選定が始まったのは83年。公募方式の日本と違い、実施主体が自ら候補地を絞り込む。当初はオルキルオト原発を運営するTVO社が文献調査などで国内100超の地点を調査。ポシバ社に引き継がれた後、99年までに4地域に絞り込んだ。

 最終選定に当たりポシバ社は、4候補地の住民から電話聞き取り調査を行った。結果は、原発が立地するエウラヨキとロビーサの2自治体では賛成が約60%。逆に、原発のない他の2自治体は反対が6割を占めたという。ポシバ社のレイヨ・スンデル社長は「結局、原発のある自治体はモラル的な責任感があった」という言い方をする。

 最終的にはロビーサとの比較で、用地の広さなどの点から、オルキルオト島を選び、99年に国に申請した。

 翌年、エウラヨキ町の最高意思決定機関である町議会が賛成20、反対7で同意した。

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 フィンランドでは、原発や最終処分場の建設受け入れを促すための日本のような交付金制度は設けていない。ヒーティオ町長によると、処分場自体では不動産税もほとんど見込めず、経済的メリットは小さい。

 ただ、処分場受け入れの見返りとして電力会社は原発を増設。その経済効果が得られる形だ。現在進んでいるオルキルオト3号機の建設で周辺地域には1万人の雇用が生まれた。さらに今後、4号機建設も控えている。

 地元に限らず隣接自治体も恩恵を受ける。オルキルオト島から10キロ先にあるラウマ市は、原子力企業の社員の子どもが通う学校に用地を提供するなど、原発建設関係のプロジェクトに取り組む。

 同市は最終処分場の立地選定過程では意思決定にかかわれなかったが、雇用経済省エネルギー局のヘルコ・フリート次長は「市民と意見交換する機会を設けており、意見は肯定的だ」と話す。

 同市に住む専門学生エルラ・ニエミネンさん(17)は「もう少し別の場所で処分してくれないかな、と考えたことはあった。でも安全だったらいい」。ホテル従業員マリカ・キウルさん(60)も「処分場には反対していない。原発も仕事場を与えてくれるし、全然OK」と淡々と語った。


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