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見返りに北陸新幹線?「バーター」論に批判の声 もんじゅとプルサーマル(11)

  • 2010年3月24日
  • 12:31
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もんじゅの運転再開をめぐり、北陸新幹線の福井県内延伸など地域振興策も議論の焦点となっている=写真はコラージュ
もんじゅの運転再開をめぐり、北陸新幹線の福井県内延伸など地域振興策も議論の焦点となっている=写真はコラージュ

連載「動き出す2つの環 もんじゅとプルサーマル 第2部・もんじゅ迫る判断 (5)「県民合意」どこに」

 「新幹線の早期整備など国が責任を担っている重要プロジェクトで、地域の恒久的福祉実現の対応をしっかりやっていくべきだ」(2010年3月1日、県会一般質問)

 高速増殖炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)の運転再開の是非判断に絡み先の定例県議会で、西川一誠知事は新規着工の優先順位付けを政府が検討している整備新幹線の延伸にたびたび言及した。22日来県した中川正春文部科学副大臣との会談では、国の地域振興策を見極めていく姿勢を伝えた。

 県会で各会派が繰り広げた論議も、焦点は地域振興策。最終日に採択した運転再開に関する意見書では「原子力のトップランナーとしての本県の役割にふさわしい国の対応」として、新幹線のほか、舞鶴若狭自動車道の早期全線開通、エネルギー研究開発拠点化計画への支援強化と財政措置拡充などを強く求めた。

 一方、敦賀市会では新幹線ともんじゅを「バーター」のように扱う姿勢には批判が強い。最大会派の市政会は運転再開を容認した上で「なりふり構わぬ地域振興は、地元敦賀の意見を無視している」と反発。民主党系の市民クラブも「もんじゅと新幹線を絡めるのは反対」とし、県会の民主党・一志会に抗議したという。

 ただ、河瀬一治敦賀市長も2年前には、新幹線の敦賀までの認可が運転再開を認めるかどうかの「判断材料の一つ」と発言していた。その後、重要な地域振興策の一つの広域連携大学の構想が具体化。それほど切実感のない新幹線より、運転再開そのものによる即効的な経済効果への期待する空気が敦賀市では強い。v  西川知事、河瀬市長はともに運転再開の判断材料に「議会の議論」を挙げ、知事は県民の合意、理解をみるバロメーターとも位置付けてきた。一連の審議は、県民、市民の目にどう映ったのだろうか。

   ■  ■  ■

 県会最大会派の自民党県政会は昨年12月の時点で、既に運転再開容認の姿勢を示していた。2月県会では、知事に運転再開の判断を促すような質問も出た。山本文雄会長は「もんじゅの安全性はナトリウム漏れ事故後ずっと議論してきた。各議員がそれぞれ地元で住民からの意見を感じ取った上での結論」とし、これ以上の議論はいらないとする。

 これに対し、第2会派の民主党・一志会の山本正雄会長は「一般市民が本当の意味で理解するまでには至っていないだろう。事業者も説明会を開いているが、理解は浸透していない」と運転再開に慎重な立場だ。

 両氏とも「もんじゅを(地域振興の)カードにすべきではない」との認識では一致する。ただ、県会が地域振興を重く見ていることも事実だ。

   ■  ■  ■

 1995年12月のもんじゅ事故直後は、県内市町村の多くの議会で、もんじゅの廃炉や安全確保を求める意見書、決議が採択された。県会の自民党会派にさえ「永久停止を」の声があった。14年余を経て運転再開が目前に迫り、議論は大きく変容した。

 「なぜ過疎地域に原発を持ってくるのか。放射能が漏れたら大変なことになるからだ。時代の流れかもしれないが、今の若い連中はそういうことを忘れている」と語るのは87年から5期20年間、県議を務めた美濃美雄さん。事故当時は会派の幹事長、安全審査入りの事前了解願が出された2000年には議長として、安全性確保や住民理解、そして地域振興の点で、国や事業者に厳しい態度で臨んできた。

 「昔も地域振興で陳情したことがあったが、推進なら推進で責任を持たなければならない。だが、今の議員は問題と真正面から向き合う根性がない」と美濃さん。運転再開の判断を下す場合、問題とどう向き合って結論を出したのか、県や市、議会も責任を負うとの考えだ。

  ×  ×  ×

 2010年3月、もんじゅの運転再開を認めるか、福井県と敦賀市の判断が迫っている。安全性や地域振興、合意形成など何が問われているのかを検証する。


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