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もんじゅ直下の活断層、揺れる評価 もんじゅとプルサーマル(10)

  • 2010年3月23日
  • 12:25
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もんじゅ敷地内の地質を調べるために行われたボーリング調査の掘削準備作業=福井県敦賀市、2008年8月
もんじゅ敷地内の地質を調べるために行われたボーリング調査の掘削準備作業=福井県敦賀市、2008年8月

連載「動き出す2つの環 もんじゅとプルサーマル 第2部・もんじゅ迫る判断 (4)耐震安全性審議」

 高速増殖炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)の西側約500メートルにある白木-丹生断層と、西側約3キロの海域にあるC断層。2008年3月、国の指針見直しに伴う耐震安全性再点検結果を公表した日本原子力研究開発機構は従来の評価を覆し、二つの活断層が地下で傾斜しもんじゅの敷地直下を通っていることを認めた。

 白木-丹生断層は1980年に当時の動力炉・核燃料開発事業団が原子炉設置許可を申請した際、地層や岩盤が直接露出している場所などを調べた結果、「活断層ではない」と評価していた。

 一部の専門家は地形の特徴や配列を挙げ「活断層の疑いがある」と指摘し、もんじゅ行政訴訟でも争点の一つとされた。だが、国も事業者も存在を否定し続けた。

 評価の変更に関し、原子力機構は「地震や活断層に関する最新の知見を反映した結果」と釈明し、当時も十分な調査をしたと強調する。

 これに対し東洋大の渡辺満久教授(変動地形学)は「過去の過ちに対する真摯(しんし)な反省はまったくなく.新たな調査でも同様の過ちが繰り返されている可能性が極めて高い」と言い切る。

  ■  ■  ■

 報告を受けた経済産業省原子力安全・保安院は当初、1年程度で原子力機構の報告が妥当かどうかの結論を示す見込みだった。しかし、審議の過程で数々の指摘、異論が出て長期化。18日、ようやく原子力安全委員会の見解がまとまった。

 まず、活断層の評価について複数の専門家から、事業者の報告への疑問が噴出した。もんじゅを含む敦賀半島周辺には、多数の活断層が入りくんでいる。原子力機構が別々と評価した活断層を、専門家側は「同時活動性を否定できない」として再考を求めた。

 さらに07年の新潟県中越沖地震の分析結果の反映も必要になり、もんじゅの基準地震動(想定される最大の揺れの強さ)は建設当時の466ガルから約1・6倍の760ガルに引き上げられた。

 地震の揺れが地下で減衰する割合(減衰定数)をめぐっては、国の審議会で信州大の泉谷恭男教授(地震工学)が原子力機構が用いた数値に対し「常識的に考えがたい部分がある」との資料を提示した。結局、泉谷教授は審議途中で委員を辞任した。「保安院や事業者からは何の返答もなかった。意見しても返答がないのでは、委員を務める意味がない」と憤る。

  ■  ■  ■

 県の原子力安全専門委員会でも、耐震安全性に厳しい意見が出ている。760ガルの基準地震動に対しても、建物や機器・設備の健全性は確保されるとの原子力機構の説明に対し、福井大大学院の飯井俊行教授(材料工学)が「国の規格基準を満足しているからいいというのではなく、それでどう安心していいかを説明すべきだ」と指摘。福井工大の安井譲教授(耐震工学)も「減衰定数が想定より小さい場合でも大丈夫か」とただした。委員には原子力機構の説明が、国の審議で結論は出ている―との姿勢に映るようだ。

 県は運転再開をめぐる判断の前提として、原子力安全委員会の2次チェックまで終えるよう求めてきた。県の専門委でも厳正に確認する構えだ。一方の国側は、年度内再開を目指す原子力機構の日程に合わせるかのように、大詰めで審議のペースを加速した。耐震安全性をめぐり温度差も感じられる。

 渡辺教授は「私は原発推進派」と断った上で、国の審議をこう批判する。「ある政府関係者は『科学で解決するのではなく、すでに施設がそこにあるという前提で(再点検の)審議がなされる』と発言していた。こんな姿勢で進められる審議が妥当とは到底いえない」

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 2010年3月、もんじゅの運転再開を認めるか、福井県と敦賀市の判断が迫っている。安全性や地域振興、合意形成など何が問われているのかを検証する。


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