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中間貯蔵施設へ輸送開始半年 「順調」強調も本格化見通せず

  • 2015年9月16日
  • 10:25
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除染廃棄物をトラックに積み込む作業員=8月19日、福島県浅川町
除染廃棄物をトラックに積み込む作業員=8月19日、福島県浅川町

 東京電力福島第1原発周辺の福島県双葉、大熊両町に建設が予定されている国の中間貯蔵施設に、同県内の除染で出た廃棄物を試験的に運び込むパイロット輸送が始まって半年たった。環境省は「順調」と強調するが、施設の建設予定地の用地取得が難航し、本格的な輸送の時期は見通せない。除染が進めば廃棄物は増え、自治体は仮置き場を増設するなどの対応に追われている。

 ▽試験輸送は1年

 8月19日、福島県浅川町の小学校校舎裏。大型クレーン車が、廃棄物が入った袋「フレコンバッグ」を慎重につり上げ、トラックの荷台に次々と下ろした。廃棄物を積んだトラックは、中間貯蔵施設予定地内の保管場に向かった。

 パイロット輸送は、福島県内43市町村の廃棄物計約4万3千立方メートルを、中間貯蔵施設に試験的に運ぶ計画で、9月9日時点で計約1万3150立方メートルを搬入した。ことし3月に始まった輸送は、1年程度で終了する見込み。環境省は輸送上の課題を洗い出し、本格輸送に生かす狙いだ。

 ▽契約わずか7人

 「順調に進んでいる」。環境省の福山守政務官は浅川町での視察後、記者団に輸送は円滑だとアピール。環境省幹部も輸送車両が衛星利用測位システム(GPS)で管理され、事故もないことから「今のところ課題は出ていない」と強調する。

 だが、パイロット輸送が終わっても、福島県内の至る所に廃棄物が入った袋が積み上げられた状況は変わらない。記録的な大雨の影響で、飯舘村の河川に袋が流出する事態も発生。袋を運び出す時期が見通せず、住民の不安は募る。

 最大の原因は、中間貯蔵施設の予定地で滞っている用地取得交渉だ。8月15日時点の環境省のまとめによると、登記上の地権者2365人のうち、連絡先を把握できた地権者は約1250人で、売買契約が成立したのはわずか7人。環境省幹部は「用地を早期に取得できる見込みはない」とこぼす。

 ▽給与半減

 除染が進めば進むほど、廃棄物が増え続けるジレンマに陥る。本格輸送が見通せない中、自治体も対応に迫られている。

 県南部の白河市は、4カ所の仮置き場(計約19ヘクタール)では不足しているため、増設や新設で計約5・5ヘクタールを新たに確保する方針だ。

 同市の担当者によると、仮置き場付近の住民からは「いつ運び出すのか」と不安の声も上がっているという。鈴木和夫市長は、仮置き場がある状況が長くなると、住民の不安は増幅すると指摘。「施設ができる時期やロードマップ(工程表)を早く示してほしい」と訴える。

 一部に避難区域が残る川内村。遠藤雄幸村長は、3年間で村内の仮置き場から廃棄物を搬出すると村民と約束していたが、実現しないため、自身の給与を3カ月間、半減する方針を示した。遠藤村長は「約束を果たせなかった自分自身のけじめだ」としながらも「国は一日も早く対策を講じてほしい」と訴えた。(共同)


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