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伴英幸氏、政府は原発ゼロ決定を 原発の行方・第4章(4)

  • 2012年8月24日
  • 05:00
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「政府がまず原発をゼロにする方針を決定すべきだ」と語る原子力資料情報室の伴英幸共同代表
「政府がまず原発をゼロにする方針を決定すべきだ」と語る原子力資料情報室の伴英幸共同代表

 エネルギー基本計画を見直すため経済産業省は昨秋、総合資源エネルギー調査会に基本問題委員会を新設。脱原発派の委員も加え、2030年の原発比率をどうするかを軸に議論を重ねてきた。原子力資料情報室の伴英幸共同代表も委員の1人だ。「政府が原発をゼロにする方針を決定し、30年までのできるだけ早い時期の実現が重要。そうすることで再生可能エネルギーや省エネが進んでいく」と伴氏は主張。原発ゼロまでの移行期間では「原発を動かすことが必要になることもあるだろうが、その場合でも(新たな安全基準などの)条件はきちっとクリアしないといけない」と指摘する。

 ―エネルギー政策について国民の意見を聞く政府の手法をどうみる。

 「エネルギー・環境会議というセクションをつくり、国民的議論を加味した流れは評価できる。三つの選択肢をつくった基本問題委員会もすべて公開で議論してきた。ただ、国民的議論の期間が短く、議論が十分尽くされない懸念はある。半年くらいかけ、意見聴取会も全国11カ所ではなく、もっと会場を増やすべきだ」

 ―核燃料サイクルの方向性を議論の対象から事実上除外している。

 「原子力委員会が(原発推進者だけを集めた)秘密会議を開いていたことが発覚したことが影響した。必ずしも原子力委が事業者から独立して判断していなかった。原発の割合が決まった後、新しい枠組みで議論すべきだ」

 ―3案とも再生可能エネの比率を大幅に伸ばす前提だが、実現できるか懐疑的な声もある。

 「多少ハードなところもあるが3案とも実現可能な選択肢だ。太陽光発電設備を載せるための屋根の補強などにインセンティブ(誘因)を付けていかないといけない。最後は制度設計とコスト負担が(国民に)了解されるかということになる」

 「原子力の発電コストは暫定的に(1キロワット時当たり)9円とされているが、福島第1原発事故の損害費用が今後増えていく可能性は高い。再生エネの固定価格買い取り制度導入で電気代は0・3円くらい上がる。どんどん導入して例えば3円高くなるとしても、原子力のコストはそれを超えて上がる可能性もある」

 ―原発をどう位置付けるべきか。

 「全基停止がベストだが、合意が得られるかは難しい。暫定的に何基か動かすことの一切を否定するつもりはない。一番大事な点は原発ゼロシナリオを政府の方針として位置付けること。暫定的に動かす場合でも、地元合意はもちろん、ストレステストは1次と2次をクリアし、過酷事故対策がきちっと取られていないといけない。大飯原発3、4号機を再稼働させたやり方はあまりにも拙速だった」

 ―首相官邸前で毎週行われている脱原発デモをどうみる。

 「特定のグループが集まっているのではなく、非常に大きな動き。多くの人々の思いを大事にしないといけない。今後どう脱原発の実現につなげていくかをみんなで考えていくのが課題だ」

 伴英幸氏(ばん・ひでゆき) 早稲田大卒。1989年に脱原発法制定運動の事務局スタッフ。90年に原子力資料情報室に入り、95年から事務局長。高木仁三郎氏(故人)の退任を受け98年、共同代表に就任した。共著書に「JCO臨界事故と日本の原子力行政」「検証 東電トラブル隠し」など。60歳。


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