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原子力機構、おぼつかぬ管理 もんじゅとプルサーマル(8)

  • 2010年3月18日
  • 12:10
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もんじゅの2次メンテナンス冷却系ポンプ室で、配管のナトリウム検出器を改良型に取り換える作業員=2008年5月
もんじゅの2次メンテナンス冷却系ポンプ室で、配管のナトリウム検出器を改良型に取り換える作業員=2008年5月

連載「動き出す2つの環 もんじゅとプルサーマル 第2部・もんじゅ迫る判断 (2)品質保証」

 「メーカーへの依存度が高く、自律的な保守管理ができていなかった」「与えられた職責・権限について職員の自覚が十分でなかった」-。

 日本原子力研究開発機構は2009年2月公表したナトリウム検出器に関する報告書の中で、品質保証上の問題点を示した。

 冷却材にナトリウムを使うもんじゅ(福井県敦賀市)にとって、検出器は安全監視に目を光らす重要な機器。2008年3月から続発した誤作動の主な原因は、建設当時からの取り付けミスなどが見逃され続けていたことだった。

 同年9月に明らかになった屋外排気ダクトの腐食でも、1999年に全面塗装した後、次に腐食の有無を点検したのは07年12月になってから。この間もメーカー側や自らのパトロールで腐食傾向が指摘されながら、肉厚測定の不十分さなどから進み具合を把握していなかった。結果的に補修などの予算措置は後回しにされ続け、穴が開くまで放置されていた。

  ■  ■  ■

 1995年12月のナトリウム漏れ事故でも、直接的な引き金となったのは折れた温度計さや管の設計ミス。原子力資料情報室(東京)の伴英幸共同代表は「ミスが見逃された大きな理由は、製造、施工をメーカーに丸投げし、本来なら何重にもあるはずのチェックがまったく機能していなかったこと」と指摘する。

 検出器やダクトの問題は、事故で指摘されたずさんな品質保証体制が依然として根深く残っていることを浮き彫りにした。

 検出器誤作動の原因が取り付けミスと判明した際、原子力安全委員会の鈴木篤之委員長は「ナトリウム漏れ事故と共通するところが背景にあり、深刻な出来事と受け止めざるを得ない」と異例の見解を表明し、原子力機構に猛省を促した。

 原子力機構幹部も「点検などでかなり手を抜いてきたところ」と認めざるを得なかった。結果として運転再開の大幅な遅れも招いた。伴氏は「事故の反省は一体何だったのか、組織的に改善されたとは思えない」と厳しい目を向ける。

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 検出器などのトラブルを踏まえ、原子力機構は敦賀本部経営企画部に「もんじゅ統括調整グループ」を設置し、現場の運営管理に関する本部の役割を拡充。経営層の指揮監督の徹底を図った。

 また、もんじゅ内には「保安管理調整室」と「安全品質管理室」を新設し、保安検査への対応や品質保証、危機管理の体制を強化。保修の担当部署も機械、電気など種類ごとに細分化し、専門性を持たせて、役割を明確化した。

 「自律的な品質保証体制の確立に向けた取り組みが適切になされている」。今年2月、経済産業省原子力安全・保安院はもんじゅの運転再開を認めた総合評価の中で、こう結論付けた。

 10年以上根深く横たわっていた問題点が、1年余りで改善されるのか。保安院の根井寿規審議官は「原子力機構は組織改正で人、体制を強化した。それが適切に現場でなじんでくれば、急速に改善することもあり得る。我々が期待していたレベルか、その少し上の段階にある」と説明する。

 「一つ一つ対策を講じたから、二度と初歩的なミスは起きない」と原子力機構敦賀本部の早瀬佑一本部長は胸を張る。しかし、伴氏は「長期停止というだけでも設備に不安がある上、原子力機構が点検、補修で万全のチェックを行えるかどうかは極めておぼつかない」と疑問を投げかけた。

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 2010年3月、もんじゅの運転再開を認めるか、福井県と敦賀市の判断が迫っている。安全性や地域振興、合意形成など何が問われているのかを検証する。


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