福井と沖縄、原発と基地のニュースサイト

ヨウ素剤の更新足踏み 事前配布まだ6割強

  • 2018年4月21日
  • 13:08
  • Twitterでシェア0
  • Facebookでシェア0
  • Google+でシェア
  • 0
安定ヨウ素剤の緊急配布の手順を確認するため、昨年11月におおい町で行われた訓練。5キロ圏内の住民への事前配布率は6割強にとどまっている
安定ヨウ素剤の緊急配布の手順を確認するため、昨年11月におおい町で行われた訓練。5キロ圏内の住民への事前配布率は6割強にとどまっている

 福井県内で原発の再稼働が進む中、原発からおおむね5キロ圏内の住民を対象にした甲状腺被ばくを抑える効果がある安定ヨウ素剤の事前配布は、6割強にとどまっており、進んでいない。使用期限が切れるため集中的に更新説明会を行った昨年10月から、1割も伸びていない。県は「各市町と協力し広報している」と強調するが、重大事故への備えが後れを取っている。

 安定ヨウ素剤の使用期限は3年間。県は2014年秋から敦賀、美浜、小浜、おおい、高浜の5市町で事前配布したが、昨年10月末で使用期限が切れたため、新しい安定ヨウ素剤への更新を進めている。現在は、若狭高浜病院で月1回、若狭、二州の両健康福祉センターで2カ月に1回、問診を含めた配布を行っている。

 県地域医療課によると、5市町の事前配布対象者は9953人(17年10月1日現在)。更新手続きを始める前の配布率は80・3%だったが、新薬剤への更新手続きを集中的に行った昨年10月時点で53・3%。今年3月4日時点ではわずか8・6ポイントしか伸びず、61・9%にとどまっている。

 対象者が7812人と最も多く、稼働している高浜3、4号機のお膝元、高浜町は昨年10月から10・5ポイント伸びたものの5市町では最も低い59・1%。3月に再稼働した大飯原発があるおおい町は64・8%(対象者731人)で、昨年10月から伸び率はゼロ。小浜市は84・5%(同264人)、美浜町の71・8%(同833人)も同じくゼロ。敦賀市は11・2ポイント増の78・0%(同313人)となった。

 高浜、おおい両町は、更新を呼びかけるチラシを対象者に郵送するなどしているが、成果は上がっていない。高浜町防災安全課は「強制できない上に、更新には医師の問診が必要で、病院に足を運んでもらわなければいけない。なかなか難しい」と頭を抱える。おおい町の対象者は、小浜市の若狭健康福祉センターに出向き更新しなければいけない。同町総務課は「勝手に安定ヨウ素剤を送りつけることはできない。粘り強く周知するしかない」と手詰まり感を口にした。

 県地域医療課は「万一の備え、安心材料として安定ヨウ素剤を持っていてほしい」とし、「配布する日を増やすなどして必要性を理解してもらい、地道に進めるしかない」としている。

 ■安定ヨウ素剤の事前配布 原発事故が起きた場合、放出された放射性ヨウ素を吸い込むと甲状腺に蓄積し、がんを引き起こす可能性が高まる。万一の事故に備え国は、2012年に策定した原子力災害対策指針で、甲状腺被ばくを抑える効果がある安定ヨウ素剤を5キロ圏内の住民に配布するよう定めた。


基地 from 沖縄 カテゴリーニュース

原発 from 福井 カテゴリーニュース

原発 from 福井 カテゴリーニュース

基地 from 沖縄 カテゴリーニュース