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被ばく医療に初の研修制度 災害拠点病院、19年度導入へ

  • 2018年4月19日
  • 13:30
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原子力災害拠点病院の指定状況
原子力災害拠点病院の指定状況

 原発事故が起きた際に各地の被ばく医療体制で中核を担う「原子力災害拠点病院」の人材育成が進んでいないとして、原子力規制委員会は18日の定例会合で、医療従事者向け研修制度の新設を決めた。各地で行われている研修内容を初めて一本化し、2019年度の導入を目指す。放射性物質や汚染に関して誤解しないよう正確な知識を学び、被ばく患者らの検査や受け入れ、治療を迅速にできる技能を取得する。

 東京電力福島第1原発事故では被ばく医療が十分に機能せず、国はそれを教訓に、原発関連施設30キロ圏の24道府県に拠点病院の指定を義務化。研修制度の新設で、未指定の8府県には早急な拠点病院の確保も促す。

 福井県内の原子力災害拠点病院は県立病院、福井大医学部附属病院、福井赤十字病院が指定されている。各病院で研修、訓練は実施しているが、県地域医療課の担当者は「国が体系立てた人材育成研修のカリキュラムをつくるのは、特殊な分野の人材を根付かせるために意義深い」と原子力規制委員会の方針を歓迎している。

 3病院では現在も専門知識を持つ人材を育成しており、昨年度は国の講師養成講座を44人が受講。3病院それぞれで被ばく医療の基礎講座や訓練を開催し、県内各地で初動に当たる原子力災害医療協力機関を含めた医療従事者に知識をフィードバックしている。

 拠点病院の医師や看護師ら向けの研修は現在、主に病院や自治体が実施しているが統一したカリキュラムや教材がなく、医療機関から「万が一の時に対応できるのか」と不安視する声が上がっていた。人材育成が進まないことが拠点病院の指定が遅れる一因でもある。

 規制委の更田豊志委員長は会合後の定例記者会見で「これまでは(研修内容に)重複や無駄があった」と述べた。

 規制委によると、新たな制度は、原発事故だけでなく自然災害の同時発生も想定し、多数の被ばく患者にも対応できる実践的な内容とする。

 今後策定するカリキュラムでは、職種に応じて取得が求められる技能を明確化。テキストに盛り込む項目として放射線の測定機器の操作方法や、被ばく患者の衣服や持ち物が汚染された場合の廃棄方法などを検討する。

 国は、新たな研修を受けた医療従事者が各拠点病院に何人いるかを把握し、初動対応に生かす。

 医療機関が拠点病院の指定を受けるには、専門知識を持つ医師や看護師らのほか、除染室や内部被ばく測定機器の設置などが必要となっている。

 被ばく医療体制 1999年の茨城県東海村のJCO臨界事故をきっかけに本格的に整備。東京電力福島第1原発事故では放射性物質の広域拡散を想定しておらず機能不全に陥った。事故後、原子力災害対策指針を改定。地域の医療ネットワークの中心を原子力災害拠点病院が担い、災害拠点病院から1〜3カ所程度を選定する。拠点病院は事故時、被ばくの恐れがある住民らを原則全て受け入れるが、対応できない高線量被ばく患者の治療は広島大など全国5カ所の「高度被ばく医療支援センター」が当たる。


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