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福井県と立地自治体、地元同意「拡大必要なし」 協定の「歴史」重視 東海第2原発再稼働同意30キロ圏に(上)

  • 2018年4月6日
  • 12:58
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福井県内の電力事業者との安全協定締結状況
福井県内の電力事業者との安全協定締結状況

 日本原電が東海第2原発(茨城県東海村)の再稼働や運転延長時に、立地地元の東海村のほか、半径30キロ圏内の5市から事前同意を得るとする安全協定を新たに締結した。関西電力高浜、大飯原発再稼働に当たって地元同意した福井県、高浜、おおい両町や美浜町は拡大する必要はないとの姿勢を変えていない。一方、国は安全協定とは関係なく、新規制基準に適合した原発を再稼働させるための地元理解の要請は、立地県と立地市町に限定している。全国の立地自治体は東海第2原発の新協定を受け、国の今後の動向を注視している。

 緊急時の避難計画策定が義務付けられる原発から半径30キロ圏の人口を比べると、東海第2原発は全国最多の約96万人が居住している。東海村の前村長が「村と県、原電だけでは事故時の責任は負えない」とし、5市を含む協定締結を強く求めていた。

 原電が3月末に東海村と5市と結んだ協定は、「新規制基準適合に伴う稼働および延長運転をしようとするときは、実質的に事前了解を得る仕組みとする」となっている。事前了解を得る対象を、立地自治体以外に全国で初めて拡大した。

 ただ新協定以外に、原子力施設などの新設や増設、変更時は茨城県と東海村から事前了解を得るという従来の協定も残っている。原電は「新協定に基づき、6市村の合意形成がなされるまで説明し続ける」とするが、二つの協定の運用方法を明確にしていない。

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 福井県内では、3電力事業者と県、立地市町が事故で停止した原発を再稼働する際の事前協議、重要な計画変更時の事前了解の項目がある協定を結んでいる。県は「協定をどう運用するのかは当事者間で決めていくもの。それぞれの地域によって違う」とする。

 今回の拡大の動きに、高浜町防災安全課は「同意を広げれば広げるほど、国策の原子力行政を進めることが難しくなる」とけん制。おおい町総合政策課も「現時点で拡大する必要はない」とする。

 全国原子力発電所所在市町村協議会(全原協)の会長を務める渕上隆信敦賀市長は2日の会見で「範囲を広げるかどうかは事業者の判断。(各原発の)立地によって条件や考え方も違う」との認識を示した。

 2015年に高浜3、4号機の再稼働に同意した西川一誠知事は同年末の会見で、「同意は権利ではない。40年以上、地域住民の安全と利益をいかに確保するかという中で歴史的、実態的につくられているもの」との考えを示した。複数の電力関係者も「原発建設時から、県や立地市町と一緒に信頼関係の中で、協定を作り上げてきた。それだけ重みがある」と指摘する。

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 自治体と電力事業者が結ぶ安全協定とは別に、国との関係もある。県原子力安全対策課によると、新規制基準に適合した高浜3、4号機や大飯3、4号機の再稼働への地元同意は電力事業者との安全協定に基づいたものではないとする。事実、県や高浜、おおい町は関電から再稼働に当たって事前了解願は受け取っていない。国から「国策に基づき、新規制基準に適合した原発は再稼働させる。地元理解をお願いしたい」と、県と高浜、おおい町が要請を受けたことへの回答だったという。県などは電力事業者と結ぶ協定以上と位置付け、安全確保に向けさまざまな確認を実施。事業者を監督する立場の国と事実上の“契約”となった。

 全国の立地自治体は、原子力規制委員会が東海第2原発の審査を終えた段階で、国がどの自治体に再稼働の同意要請をするのか注目している。


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