
何度もおかゆを盛り、悲鳴と笑い声が上がった「観音さまのおすすめ」=17日夜、福井県勝山市遅羽町北山
福井県勝山市遅羽町北山に江戸時代から伝わる奇習「観音さまのおすすめ」が17日夜、同区の集会場で行われた。男衆が女性らに大量のお粥を振る舞い、悲鳴と笑い声が響きわたった。
市無形民俗文化財に指定されている伝統行事。無病息災や豊作を祈願し、日ごろ忙しい女性をねぎらう意味もある。
この日の夕方に地元小学生が各家を回って集めたコメを、男衆が大釜で炊いてお粥をこしらえた。集会場に集まった約35人の女性や子どもらを前に「観音さんのおーすすめーん、めーん」と大声ではやしたてながら、男衆が熱々のお粥を茶わんからこぼれるまで入れ続けた。
女性たちが「もう食べられない」と手で茶わんを覆っても、男衆は隙を突いてつぎ足し、あちこちで笑い声が上がった。住民たちは、おなかいっぱい食べられる幸せに感謝していた。