
関西電力大飯原発3号機の原子炉が14日、4年半ぶりに起動した。同社原子力研修センター(福井県高浜町水明)で会見した大塚茂樹・原子力事業本部副事業本部長は「安堵(あんど)感はなく、これからがスタートだと感じている。緊張感を持って臨まなければならない」と気を引き締めるように語った。
同センターには県内外の報道関係者約40人が集まり、中央制御室のライブ映像を映し出すテレビモニターを見守った。制御室内では、原子力規制庁の保安検査官や県、おおい町の担当職員らが立ち合った。
運転員が手元のレバーを押し倒して制御棒を段階的に引き抜く操作を進めた。当直課長への報告の後、「3号機、17時ちょうどに起動しました」とのアナウンスが流れた。
大塚副事業本部長は「いま一度、社員と協力会社の一人一人が身を引き締め、緊張感を持ってワンステップずつ作業を進めなければならない。むしろ緊張感が高まったのが偽らざる気持ち」と切り出し、再稼働までの過程を「安全を積み重ねた結果の4年半だった」と振り返った。
さらに大飯3、4号機が再稼働すれば電気料金を引き下げる方針については「低廉な(安い)電気を提供するのが一つの意義」とする一方で「(次回定期検査までの)1年間、非常に重たい責務を果たしていかなければならない」とも述べた。
高浜3、4号機に次いで県内では3基が稼働状態に入った。関電は5月中旬にも大飯4号機を再稼働させる方針だが、昨年12月には同1、2号機の廃炉を決めている。大塚副事業本部長は「1〜4号機の管理、マンパワーをしっかり調整して混乱が生じないように対応する」と話した。