
関西電力は14日午後5時、大飯原発3号機(加圧水型軽水炉、出力118万キロワット)を再稼働させた。大飯3号機の原子炉が稼働するのは2013年9月以来、4年半ぶり。東京電力福島第1原発事故後、全国で初めて同一県内で立地場所の違う複数原発が動きだした。順調にいけば、15日午前3時ごろに炉内で核分裂反応が連続する「臨界」に達し、16日午後5時ごろに発電・送電を開始する。19日ごろにフル稼働し、4月上旬に営業運転を始める見通し。
新規制基準に適合した福井県内原発の再稼働は、営業運転中の高浜3、4号機に次いで3基目。出力が100万キロワットを超える大型原発としては、全国で初めてとなる。県内で立地場所の違う複数原発が稼働するのは11年12月以来。
関電によると、中央制御室での起動操作には運転員17人が当たった。大飯発電所の吉田裕彦所長のほか、原子力規制庁の検査官、県原子力安全対策課やおおい町の職員ら20人が立ち会った。午後5時に、運転員が安全制御盤の計器を確認した上で、起動レバーを操作し制御棒を抜いていった。
大飯3、4号機は東日本大震災後、新規制基準のなかった12年に、政治判断で動いている。13年7月に原子力規制委員会に新規制基準に基づく審査を申請し、17年5月に合格した。西川一誠知事は同11月、再稼働に同意した。
大飯4号機は4月上旬に燃料装荷し、5月中旬に原子炉を起動。6月上旬に営業運転に入る見込み。
一方、基準地震動(耐震設計の目安となる揺れ)の評価などが争点となっている大飯3、4号機の運転差し止め訴訟控訴審は結審しており、今後判決が言い渡される。