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原発新増設に言及、国への期待感 関電、原電トップら関係者

  • 2018年1月13日
  • 14:00
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敦賀原発3、4号機の建設予定地。奥は1、2号機とふげん=2015年4月、福井県敦賀市明神町(福井新聞社ヘリから)
敦賀原発3、4号機の建設予定地。奥は1、2号機とふげん=2015年4月、福井県敦賀市明神町(福井新聞社ヘリから)

 福井県内に原発を持つ電力2社のトップら電力関係者が、原発の新増設やリプレース(建て替え)に言及する場面が増えている。新たなエネルギー基本計画での位置付けへ、国からの後押しに期待を込める発言だが、議論している経済産業省の有識者会議の中で意見が割れているほか、建設することになれば財務面の不安が拭えない。国民理解も含め実現には解決すべき課題が山積している。

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 1月5日、福井県庁で西川一誠知事と懇談した関西電力の岩根茂樹社長、日本原電の村松衛社長は新増設や建て替えについて記者団に「2050年に向けいつごろから何をすべきか、エネルギー基本計画の中に入れてもらいたい」「2050年を見据え、明確にしてもらいたい」と語った。

 両者の「2050年」発言の背景には、有識者会議の坂根正弘会長が、長期的なエネルギーの在り方について議論すべきだと主張したことがある。政府は原発比率を高めることで温室効果ガス削減を目指してきたが、11年の東京電力福島第1原発事故後は一転して議論を封印した。にもかかわらず、長期目標として50年に温室効果ガスを80%削減する目標を掲げている。坂根氏はこの矛盾に疑問を呈し「環境とエネルギーを一体的に議論しないと答えが出ない」と主張。今春にも会合の議題とするとした。

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 昨年12月の会合では、複数の委員が「長期的に政策を維持するためには、新増設を考えざるを得ない」などと新増設、建て替えに言及した。一方「ほぼ完成間近の原発でさえ再稼働が見通せない。どうして進まないのかという地に足の着いた議論が先だ」との慎重意見もあり、今後の議論の方向性はまだ見えない。

 立地代表として委員を務めている西川知事は昨年末の記者会見で「新増設に言及する委員は14年の現計画策定時より増えている気がする」との見解を示しつつ「私としてはいいのか悪いのか立ち入っていない」と明言を避けた。まずは、国が立場を明確にする必要があるとのスタンスだ。これに対し、国は「社会的信頼の獲得が原子力利用の課題」とするにとどめている。

 新増設や建て替えに、国民の理解を得るのは容易ではない。福井新聞社が昨年10月に実施した電話世論調査では、今後の原発の望ましい割合は「徐々にゼロにする」が49・8%とほぼ半数を占めた。

 世耕弘成経産相は昨年12月の会見で「今のところ新増設、建て替えなどをしなくても、(30年の原発比率などを示す)電源構成は達成できると考えている」としつつ、「エネルギー基本計画の見直しや、50年(のエネルギー政策の方向性)を踏まえた議論もしてもらう中で考えていきたい」と、有識者会議の議論を見守る考えを示した。

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 関電は美浜原発(福井県美浜町)での建て替えに意欲を示し、原電も敦賀原発3、4号機(同県敦賀市)の敷地造成を終えている。だが、いずれも資金面に不安がある。関電の岩根社長は「事業としての予見可能性が必要。国がどう制度措置するかだ」とする。

 敦賀原発3、4号機の場合、当初計画の事業費は7700億円。これに新規制基準対応の経費が加わる。担当者は「地震や津波の想定次第だが、現段階で事業費は見当もつかない」と打ち明ける。

 事故時の賠償金をどう担保するかも課題だ。国の原子力委員会の専門部会が制度設計の見直しを議論しているが、電力会社の賠償責任に上限を設けない「無限責任」を前提としている。福島原発事故の賠償金は既に7兆6千億円を超えており、部会メンバーを務める西川知事は「事業者の相互扶助だけで対応できるのか」と懸念を示している。

 新たなエネルギー基本計画で将来的な新増設、建て替えの必要性が明記されたとしても、これらの課題が解決しない限り着工には至れない。県内の電力関係者は「結局のところ、金融機関が巨額の費用を融資できる環境が整うかに懸かっている」と話した。


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