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原発事故時被ばく患者受け入れ 医療拠点整備進まず

  • 2018年1月9日
  • 08:55
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 東京電力福島第1原発事故を教訓に見直された緊急時の被ばく医療体制で中核を担う「原子力災害拠点病院」について、国から指定を義務付けられた24道府県のうち11府県が未指定であることが8日、原子力規制委員会などへの取材で分かった。対象自治体によると、原発事故時の被ばく患者受け入れによる風評被害を懸念する病院が多く、専門知識を持つ医療従事者も不足している。福井県は指定済み。

 規制委の再稼働審査に7原発14基が合格した一方、拠点病院の整備は遅れており、原発事故が起きて多数の住民が被ばくした場合、受け入れや治療がスムーズに進まない可能性がある。規制委は速やかな指定を求めており、指定要件など必要な制度見直しを2018年度に行う。

 未指定11府県のうち、新潟、静岡、岡山、山口は「指定のめどが立っていない」。他の府県は「本年度の指定を目指す」などだった。

 未指定の理由について複数の自治体担当者が「病院側が、被ばく患者受け入れによる風評被害を懸念している」と明かす。「他の患者に敬遠されないか」「院内の設備に放射性物質が付着しないのか不安だ」などの声も寄せられているという。

 指定要件に合う病院を確保できないケースも目立つ。一部の自治体には、そうした現状で原発再稼働を急ぐのは「人命軽視だ」との声もある。

 規制委が審査中の中部電力浜岡原発が立地する静岡県は「協議中の病院に被ばく患者を処置する部屋がない」と説明。17年12月に審査に合格した東電柏崎刈羽原発がある新潟県は「線量測定器や防護服が足りていない」とした。

 第1原発事故では、原発に近い病院が被災して医療従事者が避難、従来の被ばく医療体制が十分に機能しなかった。

 【被ばく医療体制とは】 1999年の茨城県東海村のJCO臨界事故をきっかけに本格的に整備。東京電力福島第1原発事故では、放射性物質の広域拡散は想定しておらず十分機能しなかった。改定された原子力災害対策指針では、原子力災害拠点病院中心の医療ネットワークを構築することとした。拠点病院の支援のため、患者の救急診療や汚染検査など一つでも業務を担えれば医療機関以外でも「原子力災害医療協力機関」として登録。拠点病院が対応できない高線量被ばく患者の治療は広島大など全国5カ所の「高度被ばく医療支援センター」が当たる。「原子力災害医療・総合支援センター」は被ばく医療体制の構築に向け拠点病院へ支援や指導を行う。


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