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将来像の提言、立地からしては 原発の行方・第9章(7)

  • 2014年3月12日
  • 16:02
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原発をめぐる問題について語る武田氏=2月、福井県敦賀市内
原発をめぐる問題について語る武田氏=2月、福井県敦賀市内

 東京電力福島第1原発事故から3年。依然積み残されたままの原子力をめぐるさまざまな課題に関して、原発問題に詳しいジャーナリストで評論家の武田徹・恵泉女学園大教授に見解を聞いた。原発立地地域の行く末について武田氏は「今は代替策がないから地方は現状維持と言うしかないが、未来につなげていくために必要な経済構造、工程表を地方から提示してもいいのではないか」と述べた。

 −原発の依存度を下げるための議論が深まっていない。

 「国民の願いは被ばくの可能性ゼロだが、リスクゼロというのは現実的ではない。リスクは大小の量的な判断をすべき対象なのに、放射線源があるかないかの質的な判断になっている。3・11前は首都圏のほとんどの人は被ばくの可能性を知らなかったし、忘れていられた。事故でそれに気付かされて慌てて『なくせ』と言う。量的にリスクを考えている地元と、質的な議論としてリスクゼロを言っている都市部との間の亀裂がすごく深まった。それは脱原発依存に向かう上でも実はマイナスになる」

 「推進派と反対派による二項対立の間の中間層をいかにつくっていくか。被ばくだけでなく、経済もリスク源になり、それぞれ人はリスクの総合的なシステムの中で生きている。一つのリスクを取り除くと他のリスクが高まったりする。どうすれば総合的にリスクを減らす方向に進むのかを議論する必要がある」

 −東京都知事選では原発問題が大きな争点にならなかった。

 「(出馬した)細川護熙元首相らが争点にできなかったのは、マスメディアが出した論点にかみ合うような議論をする準備ができていなかったから。(細川氏を応援した)小泉純一郎元首相はゴールさえ設定すれば結果は後から付いてくると言ったが、ゴールの話だけが突出していた」

 −政府のエネルギー基本計画案にはベストミックスが示されていない。

 「3・11後の3年間にどんな問題があったのかを整理しない限りは先に行けない。ベストミックスは大事な考え方。脱原発依存に向かうための再稼働であれば脱原発派も消極的に支持しなければならない。ただ、その場合に脱原発へのロードマップの提示なしに再稼働してしまうのは問題がある」

 −再生可能エネルギーに期待する声は強い。

 「3・11以後、根拠のない期待が広がっている。再生可能エネルギーもリスク源になると理解するべきだ。普及を目指さない方がいいというのではなく、リスクを最小化しつつ可能性に投資できる社会になるための環境整備が必要だ。例えば中間評価をして、うまくいかなければ撤退する。その際に『損失を出したから責任を取れ』という話になると先行投資できなくなる。可能性があるものに投資をして本当に芽の出そうなものをうまく育てられる社会にならなければ未来は開けない」


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