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共生38年 地元は落胆 福井県大飯1、2号廃炉決定

  • 2017年12月23日
  • 09:17
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関電が廃炉を決定した(右から)大飯原発1、2号機=22日、福井県おおい町大島
関電が廃炉を決定した(右から)大飯原発1、2号機=22日、福井県おおい町大島

 1979年の営業運転開始から38年。関西電力は22日、大飯原発1、2号機の廃炉を決めた。出力117万5千キロワットと国内最大級の大型炉はこれまで大きな事故はなく、関西地域に電気を安定して送り続け、基幹産業として地元おおい町を支えてきた。関西地域を支える誇りを胸に原発と共生してきた地元は、落胆と戸惑いに包まれた。




 ■「町を築いた象徴」

 「非常に残念だ」。22日、関電の豊松秀己副社長から廃炉報告を受けたおおい町の中塚寛町長はこの言葉を繰り返した。

 大飯1、2号機は半世紀前の誘致の際、町を2分する激しい論争の末、運転を開始した「町民にとって思い入れのあるプラント」(中塚町長)。その上で「1、2号機は今日の町を築いた象徴」と強調した。

 同町には2007〜16年度の10年間で、計627億5668万円の原発関連収入があった。16年度の決算では、電源立地地域対策交付金など関連収入は66億4161万円。“原発マネー”が歳入の57・2%を占める。町総合政策課は、2基の廃炉で交付金が減るものの現時点では具体的な数字は分からないとし「交付金を充てている全ての施策を維持していくことは当然、厳しくなっていくだろう」と不安をのぞかせる。

 町民には多くの恩恵を与えている。中学卒業まで医療費を無料にしているほか、ハード面では、町総合運動公園球技場、町里山文化交流センター「ぶらっと」の建設など、人口規模以上に恵まれた施設が多々ある。

 ■地域経済に影

 廃炉は地域経済に大きな影を落とす。「エネルギーの町で廃炉はどう考えても大きい打撃」と話すのは、町商工会の荒木和之会長(63)。

 関電によると、同発電所では運転中で約2千人、13カ月ごとに行われる定期検査では、最大で約4千人が原発で作業に当たる。

 大飯原発のおひざ元、同町大島で民宿を営む70代男性は「この地域一帯の民宿の宿泊客は、ほとんどが原発の作業員。ただでさえ宿泊客が減っている中、今後さらに民宿の経営は厳しくなっていくだろう」と暗い表情を浮かべた。

 ■40年超「仕方ない」

 一方で、19年に運転開始から40年を迎える古いプラントの廃炉は「仕方ない」との声も聞かれる。

 「ふるさとを守る高浜・おおいの会」のメンバーで、一貫して原発の再稼働反対を訴える同町石山の宮崎宗真さんは「廃炉が実現したことは素直に良かったと思うが、やはりもっと早く廃炉を進めるべきだった」と切り捨てる。地元で漁業を営む60代男性は「稼働して40年が経過したので廃炉は仕方がないこと」と話した。

 38年間、原発に依存してきた体質からどう脱却するか。

 荒木会長は「本来なら、先行して新たな産業の構築などに着手しなければいけなかった。正直甘えすぎていた」と後悔を口にした。


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