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もんじゅ地元、国への不信消えず もんじゅの道標(下)

  • 2017年12月21日
  • 12:07
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もんじゅ廃炉で影響を受ける白木区の将来について語る坂本区長(右)と畠社長。国への不信感は拭い切れない=福井県敦賀市の白木海岸
もんじゅ廃炉で影響を受ける白木区の将来について語る坂本区長(右)と畠社長。国への不信感は拭い切れない=福井県敦賀市の白木海岸

 「もんじゅ関連で働く千人の雇用維持は具体策が見えず、国を信用できない」。日本原子力研究開発機構の高速増殖原型炉もんじゅと長年共生してきた福井県敦賀市白木区の住民は、1年たっても国への不信感は消えない。ただ、約半数がもんじゅ関連で働く15軒の集落は廃炉で先細る将来を冷静に見詰め「もんじゅ以外に地元で行う事業をつくり出したい」と新たな道を模索している。

 昨年12月の政府の一方的な廃炉決定に、白木区民は「長年協力してきた信頼関係を無視された」と憤った。文部科学省と経済産業省は3月に初めて区民向け説明会を開いて以降、廃炉基本方針が決まった6月など節目節目で説明し、丁寧な地元対応に懸命だ。

 「国の姿勢の変化は感じるが、この1年で区の将来が見通せるようになったわけでもなく、状況に大きな変化はない」と坂本勉区長(62)。国の説明も、内容にさほど進展がない印象だという。

 政府は千人の雇用を10年間維持すると地元に提示した。だが坂本区長は「炉心燃料取り出しの5年間は今とそんなに変わらないだろうが、本当に10年間も雇用を維持できるのかが疑問。点検などの仕事が減るのは間違いない」と、信用しきれない様子だ。もんじゅ敷地内に整備方針の試験研究炉も、どこまで雇用に貢献するかは見えていない。

 もんじゅ周辺を今後も高速炉開発の中核的拠点と位置付ける政府方針についても、現実味に乏しいと感じている。「先人たちは高速増殖炉に夢や誇りを感じて受け入れたが、いまの世論を考えたとき、誇りが見いだせるのだろうか」と国に投げ掛ける。

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 区民出資で設立し、もんじゅ関連施設の清掃や食堂、売店などを営んでいる株式会社「白木」。この1年、廃炉決定の影響はなかったが、畠準史社長(33)は危機感を持っている。

 「廃炉作業には何らかの形で関わっていかなければならないし、機構の仕事とは違う収入や事業を少しずつでも増やしていかないといけない」。もんじゅに頼らない経営基盤の強化を準備できる期間は、燃料取り出しの5年間しかないと感じ、模索を続けている。

 区の未来も岐路に立つ。敦賀半島先端にある小さな集落は、もんじゅ誘致で維持してきただけに、廃炉とともに衰退していく懸念がある。

 坂本区長は「白木に将来も住んでもらうには、地の利を生かした事業が必要。国に頼らず、廃炉をチャンスにつなげるようにしたい」と強調する。考えている事業の一つがアワビの養殖で、採算が取れるかどうかの調査を来年度に行う方針だ。

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 雇用面とともに地元から不安の声が上がるのが、使用済み燃料の県外搬出や放射性廃棄物の処理処分が不透明な点だ。

 燃料の県外搬出やナトリウムの処理方法は、政府が2022年末までに計画を示す方針。だが市会では、廃炉作業中の新型転換炉ふげんの使用済み燃料の搬出が廃止措置計画に掲げた期限内に完了できない状況を引き合いに「ふげんが片付かないと実効性も説得力もない」(和泉明市議)と懸念する意見が出ている。

 廃炉作業で出る放射性廃棄物の処分場も決まっていない。国や原子力機構は47年度まで30年間で廃炉作業を完了させる方針だが、搬出先や処分場が決まらず、だらだらと長引く恐れもある。

 「白木」の畠社長は「ごみ捨て場が決まっていないなど課題は多い。国は重要な問題について何も具体的に示していない。本当にできるのか、というところが信用できない」と疑念を抱いたままだ。


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