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こだわり廃炉体制、関係者は複雑 もんじゅの道標(上)

  • 2017年12月20日
  • 09:58
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もんじゅの廃炉体制
もんじゅの廃炉体制

 使った以上の燃料を生み出す「夢の原子炉」と言われた日本原子力研究開発機構の高速増殖原型炉もんじゅ(福井県敦賀市)は12月21日、政府の廃炉決定から1年を迎える。突然の国策変更による混乱が続いたが、今月6日に廃炉計画の認可申請が原子力規制委員会に出され、ようやく一歩を踏み出した。廃炉作業に携わる関係者や地元の思いは複雑で、見通しは晴れないままだ。

 「こちらは一方的に縁を切られた身だ。最後まで国を逃がさない」。機構によるもんじゅ廃炉計画の認可申請へ、西川一誠知事が国に突き付けた最後の要求は、地元が廃炉作業に意見できる仕組みづくりだった。「既に認めた体制の枠組みを蒸し返すのは得策ではない」との意見もあったが応じなかった。文部科学省から「廃止措置連絡協議会」の設置を引き出すと、一転してその日のうちに県は機構と廃炉協定を結び、認可申請の事前連絡を受けた。

 一方的にもんじゅの廃炉が決まり、「運営は不適格だが廃炉は可能」という理不尽な主張を押しつけられた反発から、西川知事は「廃炉体制」にこだわった。連絡協議会のほか、政府一体となった関与、機構内部の人員の充実などの具体化を求め続けた。その結果、国をはじめ電力会社、メーカー、第三者が支える仕組みが完成した。

 官邸の関与まで引き出し、国家プロジェクトとしての廃炉の性格を高めた点を評価する向きは地元に広がるが、「利害関係者が多すぎる」(県内関係者)ことの吉凶は判然としない。外部の関与が強すぎれば機構の主体性を奪い、職員の士気にかかわる可能性もある。機構はこの1年、国と地元の交渉で置き去りにされ、ある機構職員は「われわれは指定管理者だ」と皮肉交じりにつぶやいた。

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 廃炉作業の当面の課題は、水や空気と激しく反応する液体ナトリウムに漬かった燃料を安全に取り出せるかだ。万全を期すため、機構の廃炉指揮部門にメーカー、電力会社の人材を投入する方針だ。しかし県内のある電力関係者は「ナトリウムの取り扱い技術は、全て機構が抱え込んでいる」と、電力会社の微妙な立場を代弁した。

 主要4メーカーの態度にも温度差が見え隠れする。炉心からの燃料取り出し設備を納入した東芝(現・東芝エネルギーシステムズ)は「安全かつ円滑に運用できるよう点検する。燃料交換関連で定期会合を開いており、機構とメーカーで協調する」と主張。設備を熟知した技術者を派遣し機構を支える、と協力に前向きだ。一方、燃料を炉心から取り出した後に水プールに移送するまでの主要設備を納入した富士電機は「作業を請け負う立場で、コメントすることはない」とした。

 燃料取り出しと直接関係しない三菱重工業は「保有技術を生かせる範囲で貢献したい」、日立製作所(現・日立GEニュークリア・エナジー)も「自らが納入した設備の点検、維持などを通して、安全な廃炉に貢献する」との立場をとる。

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 機構の児玉敏雄理事長は廃炉を進める上での一番の改善点を「現場力の向上」としたが、これは歴代機構トップが何度も口にしてきた言葉だ。2015年から「オールジャパンでの改善」に取り組んだものの、結果的にもんじゅを廃炉としてしまっただけに、かけ声倒れになるとの懸念は尽きない。

 今回、児玉理事長は「トップダウンではなく、ミドル・アップ・ダウン」を旗印に掲げる。課長クラスの中堅が自ら考えて上司に提案し、部下の指導もするという。

 しかし、廃炉を決定づけた大量の点検漏れ問題の原因を自ら、「管理者の所掌範囲がただでさえ広いのに、管理者自らがプレーヤーとなり、マネジャーとしての意識が不足していた」と結論づけている。機構職員は「中堅の負担を増やせば、またマネジャーがプレーヤーになるかもしれない」と不安を口にした。


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