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核のごみでサイクルに行き詰まり 原発の行方・第9章(6)

  • 2014年3月11日
  • 15:58
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高レベル放射性廃棄物を地下300メートル以深に地層処分する最終処分場のイメージ図。処分場の立地選定が進まないため、国が主導して科学的に適性な候補地を示して申し入れる方式に転換する(NUMO提供)
高レベル放射性廃棄物を地下300メートル以深に地層処分する最終処分場のイメージ図。処分場の立地選定が進まないため、国が主導して科学的に適性な候補地を示して申し入れる方式に転換する(NUMO提供)

 「放射性廃棄物の最終処分場もないのに原発を進めるのは無責任だ」。小泉純一郎元首相の脱原発発言で、行き場の決まらない「核のごみ」の重い課題はあらためてクローズアップされた。

 日本の原子力政策は原発の使用済み核燃料を再処理してプルトニウムなどを取り出し、燃料として再利用する核燃料サイクルが前提だ。ただ、青森県六ケ所村の再処理工場はトラブル続きで操業が遅れ、再処理した際に出る高レベル放射性廃棄物を地中深くに埋める最終処分場の立地選定も一向に進んでいない。

 政府のエネルギー基本計画案では、国が主導して最終処分場の候補地を示す方式に転換し、核のごみの問題解決に向けた取り組み強化を明記した。処分事業を担う原子力発電環境整備機構(NUMO)はこれまで公募方式をとってきたが「説明の場が限られ、処分の安全性の情報が広く伝達できなかった」(富森卓NUMO広報部長)との反省もある。

 さらに、基本計画案で掲げるのは「放射性廃棄物の減容化・有害度低減」。高速炉などを使い、高レベル廃棄物の量や有害度を減らす技術開発を進めるものだ。

 背景にあるのは高速増殖炉もんじゅ(福井県敦賀市)の存在。サイクル政策は再処理したプルトニウムを燃料として使い、発電しながら消費した以上の燃料を生み出す高速増殖炉開発が軸だったが、原型炉のもんじゅがナトリウム漏れ事故などでほとんど運転できず、実用化は事実上行き詰まっている。基本計画案でも「増殖」の文言は消え、2010年の計画にあった実用化の目標時期も削除された。

 代わりに、小泉発言で廃棄物処分に世論の関心が高まる中、もんじゅの役割として「減容化」研究を強調した形だ。

 ただ、基本計画案のサイクル政策についての表現は「中長期的に戦略的柔軟性を持たせる」などとあいまいさも目立つ。元県原子力安全対策課長の来馬克美・福井工大教授は「各所に目配りした総花的な内容。個別・具体的に踏み込んでおらず、本当の輪郭が見えない」と指摘する。

 使用済み燃料の再処理と直接処分の併存を提案する原子力委員会の鈴木達治郎委員長代理は「これまでは再処理を優先に取り組んできたが、今後は使用済み燃料の貯蔵をサイクルの一番重要な要にすべきだ」と訴える。貯蔵場所を安定的に確保し、必要な時期に必要なだけ再処理する考え方だ。

 再処理が不確実な中、使用済み燃料は全国の原発内のプールにたまり続け、原発が再稼働すれば数年で満杯になる恐れもある。中間貯蔵施設などの整備は喫緊の課題だ。

 西川福井県知事は県外の電力消費地に設置するよう再三求めている。一方で大飯、高浜原発が立地する大飯郡選出の田中宏典県議は「将来の技術革新で使用済み燃料が資源になる可能性を期待し、長期中間貯蔵する考え方もある。県内原発の敷地内外で設置を検討すべき時期が来る」と述べ今後、議論が必要になるとみている。


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