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電力供給、綱渡り状態が続く 原発の行方・第9章(2)

  • 2014年3月5日
  • 15:18
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東京都知事選で第一声を上げる細川護熙元首相(左)と応援に駆けつけた小泉純一郎元首相。脱原発を訴えたが議論は深まらなかった=1月23日、都庁前
東京都知事選で第一声を上げる細川護熙元首相(左)と応援に駆けつけた小泉純一郎元首相。脱原発を訴えたが議論は深まらなかった=1月23日、都庁前

 「豊かな生活と産業を維持していくためには、何としても原子力は必要」。昨年末、関西電力原子力事業本部長の豊松秀己副社長は、原子力を学ぶ福井工大の学生に力説した。世界的なエネルギーの奪い合いが将来予想されることを前提に「人類のこれからの成長のためにも」と訴えた。

 「火力発電に頼らざるを得ない今の電力供給は綱渡り的で危うい」というのが電力業界の主張だ。液化天然ガス(LNG)の輸入が増えて膨らむ燃料費、石油産出国の不安定な政治情勢、増える二酸化炭素(CO2)の排出量などいくつもの理由を挙げる。

 昨年10月、福井市内で講演した経済産業省資源エネルギー庁の上田隆之長官は「エネルギー問題は日本経済のアキレスけんになっている」と語った。直接的ではなかったが、出席した県内の経済関係者らに原発の重要性を示した。

 電力を安定して供給するため、安全性を確認した原発を再稼働させる政府の方針は、原発が持つリスクとの兼ね合いはあるものの、短中期的には理にかなった現実路線だ。西川福井県知事も「原子力の割合が低下することはあるにしても、エネルギー供給の安定を支えるという役割は引き続き重要」との立場に立つ。

 だが脱原発派は国や経済界が必要とする電力量そのものに疑いを持つ。

 「電気をどんどんつくり便利で豊かな生活を続けるという発想を根本から反省し直さなければならないのでは」。原発設置反対小浜市民の会の中嶌哲演さん(72)は、膨大なエネルギーを消費する産業構造や文明社会のあり方を「弱肉強食の社会・経済システム」と指摘。原発の推進はこうしたシステムを温存することにつながる、という危機意識を抱いている。

 日本消費生活アドバイザー・コンサルタント協会の辰巳菊子常任顧問(66)は「産業界の方に向いてエネルギー政策が動いてしまうのはやむを得ない部分があるかもしれないが、もう少し自分たちの暮らしに軸足を置いてほしい」と語る。節電や省エネはエネルギーミックスの大きな柱だと考えるからだ。

 先の東京都知事選では細川護熙元首相が出馬し、即時の脱原発を訴えた。だが政策に具体性がなく有権者に響かなかった。当選した舛添要一氏も「電力消費地が何もしないで生産地に勝手なことを言うのは許せないことだ」と主張したものの、踏み込んだ議論に至らなかった。

 元首相陣営の主張はどこか当事者意識を欠いているようにも聞こえた。日本原子力産業協会の服部拓也理事長は訴える。「エネルギー問題は国のありよう、国民生活そのものであるのに、そう思われていないところに問題がある。国民一人一人が認識や理解度を上げ、自分の問題としてとらえなければならない」


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