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「神話」に代わる信頼を築けるか 原発の行方・第9章(4)

  • 2014年3月7日
  • 15:45
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大飯3、4号機の再稼働をめぐり、枝野経産相と会談した西川知事は「福井県に安全神話はない」と明言した=2012年4月14日、県庁
大飯3、4号機の再稼働をめぐり、枝野経産相と会談した西川知事は「福井県に安全神話はない」と明言した=2012年4月14日、県庁

 原子力政策は「絶対に安全」という「安全神話」の下に推し進められてきたとされている。「安全神話」とは何なのか。

 「原発立地の福井県に安全神話はない」。再稼働に向け関西電力大飯3、4号機の安全性が問われていた2012年4月、西川知事は枝野幸男経済産業相(当時)に訴えた。40年以上にわたり県独自に安全性を監視してきた経験と自負でもあった。

 半世紀前、関電が原発技術を米国から導入する際に汗をかいた元専務の山?吉秀さん(78)も「なかった」と話す一人。「絶対に近い安全を求めているが、私たち技術屋が絶対安全と言ったことはない」。原子力の平和利用は原爆から始まっているからこそ「ものすごいリスクを内蔵している」との前提に立っていたという。

 電力会社が「さらなる安全対策を実施する」という姿勢を見せれば、反対派から「今ある原発は安全ではないのか」と迫られるジレンマがあったとの指摘もある。日本原子力産業協会の服部拓也理事長は「『原子力は絶対安全です』みたいに言ったことで、自分たちも縛られてきたところがあった」と率直に語る。

 便利で豊かな生活のためには大量の電気が必要で、安全に安く電気を作ることができる原発が必要−。原発設置反対小浜市民の会の中嶌哲演さん(72)は、そんな「必要神話」に国民は惑わされていたとみる。必要神話もあり実質的には崩れていた安全神話を信じ込まされていたとの見立てだ。

 東京電力福島第1原発事故で安全神話というメッキははがれ落ちた。国や電力業界は原発の安全性をもう一度高め、信頼回復を図ろうと試みているが、「5年や10年で解決する問題ではない」(原子炉メーカーの元技術者)との声も聞かれる。

 昨年11月に福井工大で開かれた原子力を学ぶ学生と技術者OBとの対話企画。ある学生グループは「もともと信頼はなかったのではないか」と根本的な問題を突き付けた上で、「回復というより、新たに信頼を得る必要がある」と提起した。より一層の謙虚な姿勢が求められるのでは、という問い掛けでもある。

 「信頼とは不信がないこと。積極的に信頼を醸成しようとするのではなく、不信感を持たれないように言動を律することが大切」と話すのは、日本原電元理事で福島県内で今なお避難生活を送る北村俊郎さん(69)。例えば電力会社に不利な情報を隠したり有利な情報を誇張すれば、それが後に露見した場合、不信を招くというのだ。

 関電の豊松秀己副社長は社員にこう訴え掛けているという。「それぞれ自分のできる範囲で誠心誠意の説明をしよう。大事なのは設備だけでなく、『彼らがやっているなら安心できるよね』と思っていただけること」


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