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中間貯蔵施設は県外へ 大飯再稼働~知事同意課題は(中)

  • 2017年11月29日
  • 07:39
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青森県むつ市にある中間貯蔵施設「リサイクル燃料備蓄センター」=2015年9月
青森県むつ市にある中間貯蔵施設「リサイクル燃料備蓄センター」=2015年9月

 関西電力大飯原発3、4号機の再稼働同意手続きで、懸案となったのは使用済み燃料の福井県外での中間貯蔵計画だ。関電は「2020年ごろに計画地点確定、30年ごろに操業開始」という年限を15年に公表したものの進展がなく、西川一誠福井県知事は10月の定例会見で「関電は再稼働に当たって、答えを示す必要がある」とプレッシャーを掛けた。

 今月23日、岩根茂樹社長が西川知事に示した答えは「18年には具体的な計画地点を示す」。西川知事はこの決意を評価し、再稼働に同意した。県内関係者は「関電が18年という期限を出したのは何か当てがあるからだろう」と推測する。しかし「たった1年で計画地点を示せるのか」と疑念を抱く声も少なくない。

 立地を示す計画の実行がいばらの道であることは、歴史が証明している。今からちょうど20年前の1997年、大飯原発の使用済み燃料を巡って県と関電が同じような“攻防”を繰り広げた。

 使用済み燃料プールの容量が逼迫(ひっぱく)したことを受け、関電はプール増強工事の事前了解願を県に提出。県は了解の最終的な判断条件を、「国と電力事業者が2010年までに建設を予定している中間貯蔵施設計画の明確化」とした。翌98年、関電は「全社を挙げて操業を開始する」と約束し、県は増強を了解した。

 立地地点として、県外では和歌山県御坊市会が誘致を検討する動きをみせた。県内では04年、美浜町が誘致を表明した。しかし同年に美浜原発3号機事故が発生。安全対策と信頼回復が優先され、中間貯蔵の検討は凍結された。結果としてプールの容量だけが増えた。

 それから10年以上の足踏みを経て、関電の中間貯蔵施設の県外立地計画は再び動きだした。しかし、当時立地が取りざたされた地域は静観の構え。その他の地域でも表立った検討は進んでいない。

 東京電力と日本原電が中間貯蔵施設を建設したむつ市の場合、「地域活性化に寄与する」との当時の市長の思いや、地元経済界からの要望もあり、事業者の調査依頼から5年の熟議を経て建設が決まった。原子力関連を所管する企画調整課の吉田和久課長は「国や電力事業者が地元に寄り添う気持ちが大事。当たり前だが、丁寧な説明に尽きる」と話す。

 そもそも中間貯蔵施設が必要なのは、使用済み燃料の第一の搬出先となる青森県六ケ所村の再処理工場が操業延期を繰り返し、処理待ちの燃料が既にほぼ満杯だからだ。再処理が始まったとしても、その過程で出る高レベル放射性廃棄物の最終処分場の建設が見通せない。高速増殖原型炉もんじゅ(敦賀市)も廃炉が決まるなど、再処理を前提とした核燃料サイクル政策自体が行き詰まっている。

 このため全国には「中間貯蔵施設が最終処分場になる」との危惧が根強い。この危惧を福井県に当てはめれば「中間貯蔵施設が建設されなければ、原発敷地が燃料の最後の行き先になる」ということにもなる。西川知事は大飯原発3、4号機の再稼働同意を表明した27日の記者会見で「(中間貯蔵施設は)構想ではなく実行計画だ」と強調。計画失敗という歴史の繰り返しは許されないとの態度を鮮明にした。


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