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再稼働同意「国の関与」にこだわり 大飯再稼働~知事同意課題は(上)

  • 2017年11月28日
  • 09:10
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西川一誠知事との面談後、報道陣の質問に答える世耕弘成経産相(左)=26日、福井県庁
西川一誠知事との面談後、報道陣の質問に答える世耕弘成経産相(左)=26日、福井県庁

 関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)について、同県の西川一誠知事は27日、再稼働に同意した。ただ、県が求める国民理解の促進や中間貯蔵施設の県外立地の具体化は道半ば。高浜、大飯両原発で同時に事故が起こる「同時発災」を想定していない広域避難計画への不安も残る。喫緊の課題を棚上げしたままの再稼働となる。

 地元おおい町と県議会が再稼働に同意して約2カ月。知事は11月22日からわずか5日間で現地視察を行い、岩根茂樹関電社長、世耕弘成経済産業相らとも相次ぎ面談。精力的に国や事業者から考えを確認し「同意」への裏付けを一気に進めた。

 大飯3、4号機は東京電力福島第1原発事故後、新規制基準のなかった12年に、政治判断で動いている。ベテラン県議は「12年の再稼働に当たってはかなり議論した。知事は新規制基準でさらに安全になっていることは分かっている」。9月県議会閉会後から同意までには、時間はかからないとみられていた。しかし、実際は違った。

 これまでの県議会での答弁などで「基本的にエネルギー政策は国が考えるのが大前提」と繰り返してきた知事。7月の世耕経産相との面会の際も、国民理解の促進や使用済み燃料の中間貯蔵施設県外立地などについて、国の関与を強く求めていた。数字などで見ることのできない課題だけに、今回の同意には何としても国の責任ある立場の人からの覚悟を示す言質が必要だった。

 衆院選のさなか、経産相の来県日程を巡り、国と駆け引きが始まった。県関係者によると、10月中旬ごろ国から、「世耕経産相が10月28日に福井を訪問したい」と打診があったという。ただ、衆院選後の組閣が行われていないことに加え、原子力防災会議(議長・安倍晋三首相)が、大飯3、4号機の事故に備えた広域避難計画を了承した翌日。国の想定通り“スケジュールありき”で進むことを嫌った知事は「拙速」と固辞した。

 この日程が流れたことで、国は態度を硬化させた。県側は11月3日の訪問を求めたが、国側は拒否。特別国会会期が12月9日までの長期間となった上、廃炉となった高速増殖原型炉もんじゅ(同県敦賀市)の地域振興策を巡る交渉も複雑に絡み合い、調整は難航を極めた。

 12月中旬以降の来県も模索され始めた11月中旬、手のひらを返したように知事は「スケジュール感がない」といら立ち、調整を急がせた。すでに同意判断している県議会に対し、知事同意がないまま12月県議会に入ったらどうなるか。「知事の頭をよぎったのではないか」と関係者はみる。

 膠着状態が続く中、国側から、26日に世耕経産相の現地視察と知事との面会の再打診があった。県議会開会直前の絶妙な日程に、知事はようやく首を縦に振った。10月の打診日から約1カ月後の11月26日、世耕経産相は県庁を訪れた。

 面談で世耕経産相は「今後とも国が責任を持ってエネルギー政策を進めていく」と強調。知事は廃炉や40年超運転、使用済み燃料の中間貯蔵施設の県外立地、もんじゅなどを挙げ「こうした課題に国が全体性を持ち、明確な方向性を示して原子力政策を進めてほしい」と応じた。何とかメンツを保った形で、再稼働同意へかじを切った。


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