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「宇宙撮れた!」歓喜 スペースバルーン打ち上げ

  • 2017年11月9日
  • 09:25
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成層圏を“旅行”するラプト。真っ暗な宇宙に地球が照らし出されている
成層圏を“旅行”するラプト。真っ暗な宇宙に地球が照らし出されている

 強い雨に見舞われた、宮古島の西の伊良部島沖約20キロ。大きな波のうねりの中に、豆粒のように小さく、けれども蛍光色ではっきりと見える機体を発見した。急いで回収し、カメラからメモリーカードを抜き取る。「無事、映っていてくれ」―。帰港後、パソコンに差し込んで再生すると、画面には漆黒の宇宙と、太陽の光を浴びて輝く地球が映し出された。「すごい。本当に撮れた!」。メンバーは歓喜に沸いた。

 スペースバルーンは、上空の風次第で着水地点が大きく変わる。また、波が高いと機体を回収するための船を出せないため、悪天候だと実施できない。当初打ち上げ予定だった10月14日は強風のため断念。そして15日を迎えた。

 まだ薄暗い午前6時10分、打ち上げ地点の宮古島北部の砂浜で準備を開始。風船を計算通りの速さで上昇させるため、直径2・1メートルになるようヘリウムガスを注入した。風船に指の脂や砂が付くと、傷になって目標高度3万メートルより手前で割れる恐れがあるため、軍手をして慎重に作業を進めた。機体のカメラ4台やマイクロコンピューターは電源を入れてセッティング。20以上の手順をこなし、パラシュートと風船をひもで固く結び、打ち上げ準備を整えた。

 「ゆっくり手を離して」。機体に衝撃を与えず打ち上げるよう、大きな声で指示が飛ぶ。学生が手を離すと、ほぼ計算通り分速約370メートルで上昇し、大空に消えた。

 休む間もなく、機体を捜す「海上班」3人は伊良部島の港に移動し午前9時40分、漁船に乗り込み出港。残る「陸上班」の5人は、島の高台から風船の着水する北緯、東経を分析して無線で伝える“連携プレー”で船を誘導した。

 出港から約1時間20分。海上は強い雨風で大きく船が揺れ、捜索は難航した。着水地点付近に来ているはずだが、大雨と高い波に視界を阻まれなかなか見つからない。「あったぞ!!」。10分後、何とか波の合間に浮かぶ蛍光色の機体を発見、素早く船に引き上げた。

 港に戻ると学生5人は早速パソコンを囲んだ。カードを差し込むと、機体に搭載したカメラ4台のうち、2台のカードに鮮明な映像が収められていた。「地球写ってる!」「宇宙は真っ暗!」。メンバーは笑顔、笑顔。残り2台のカメラのカードも、腐食部分を消しゴムで慎重に削り取る作業を経て、無事映像が再生された。福井県の恐竜ブランド「ジュラチック」キャラクターのラプトが、成層圏を“旅行”する姿がしっかりと映っていた。

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 福井高専生5人と福井新聞の記者3人が挑んだスペースバルーンプロジェクト「ふーせん宇宙船」(鯖江精機、ナカテック特別協力)は10月15日、高度3万メートルから見える地球や宇宙の撮影に成功した。低温、真空、浸水、パラシュート、法律…。立ちはだかった壁は数知れず、実験用の試作機も含めて計15機の機体を製作。約7カ月間、全員で試行錯誤を繰り返してきた末につかんだ成果だった。活動の軌跡と、沖縄県宮古島市での打ち上げ当日の動きを振り返る。


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