福井と沖縄、原発と基地のニュースサイト

国、東電に再び賠償命令 原発事故集団訴訟「津波予見できた」 

  • 2017年10月11日
  • 13:00
  • Twitterでシェア0
  • Facebookでシェア0
  • Google+でシェア
  • 0
福島第1原発事故の集団訴訟で国と東京電力の賠償責任が認められ、福島地裁前で垂れ幕を掲げる原告側弁護士ら=10日午後
福島第1原発事故の集団訴訟で国と東京電力の賠償責任が認められ、福島地裁前で垂れ幕を掲げる原告側弁護士ら=10日午後

 東京電力福島第1原発事故の被災者約3800人が国と東電に損害賠償などを求めた訴訟の判決で、福島地裁は10日、国と東電の責任を認定し、原告約2900人に総額約5億円を支払うよう命じた。双方とも津波を予見できたのに対策を怠ったと判断。国の指針に基づいて東電が支払っている慰謝料を上回る賠償を認め、被害救済の対象を広げた。

 全国で約30ある同種訴訟で3件目の判決で、国と東電の賠償責任を認めたのは3月の前橋地裁に続き2例目。国の指針を超える賠償命令は前橋地裁、9月の千葉地裁に続く3地裁連続で、現状の賠償制度の不備が改めて浮き彫りとなった形だ。

 福島訴訟特有の、居住地の放射線量を事故前の水準に戻す原状回復の訴えは却下された。

 原告は事故当時の福島県と宮城、茨城、栃木3県の住民で、事故後もとどまった人が8割を占める。全国の同種訴訟では最多の原告数。原状回復されるまで1人当たり月5万円の慰謝料を請求し、弁護団によると、訴訟の結審時までで総額約160億円に上る。

 金沢秀樹裁判長は、政府機関が2002年に発表した地震に関する「長期評価」に基づき直ちに試算すれば、国と東電は敷地を大きく超える15・7メートルの津波を予見可能だったと指摘。国が02年中に東電へ対策を命じていれば事故は防げたとして「国の規制権限の不行使は著しく合理性を欠いていた」と結論付けた。

 東電にも「津波対策を怠った過失がある」と言及。安全性の責任は第一次的には事業者にあり、二次的な国の責任の範囲は東電の2分の1だとして、総額約5億円のうち約2億5千万円を、国は東電と連帯して払うよう命じた。

 判決では、地域ごとの放射線量や被ばくへの不安感などを基に賠償額を算定。避難区域外の福島市や郡山市など県中北部の大人には総額8万円の賠償が支払われていたが、16万円の上乗せを認めた。賠償の対象外だった茨城県の原告の一部には1万円の支払いを命じた。「ふるさと喪失」への慰謝料は、既に支払われた賠償に含まれているとして認めなかった。

 原子力規制庁は控訴を検討するとし、東電は「判決内容を精査し、対応を検討していく」とのコメントを出した。

 【全国の同種訴訟】

  東京電力福島第1原発事故の避難者や被災者らによる集団訴訟は、全国各地で約30件起こされ、1万人以上が原告として参加している。国の指針に基づき東電が支払っている賠償は不十分だと主張して、精神的苦痛やふるさとを失ったことへの慰謝料などを請求しているほか、国や東電が対策を怠り、事故を防げなかったとして、事故の責任の明確化も求めている。前橋、千葉、福島の3地裁で判決が出され、来年3月には京都地裁でも判決が予定されている。


基地 from 沖縄 カテゴリーニュース

原発 from 福井 カテゴリーニュース

原発 from 福井 カテゴリーニュース

基地 from 沖縄 カテゴリーニュース