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原発免震棟広がらず 対策厳格化耐震性が不足

  • 2017年7月17日
  • 10:29
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東京電力福島第1原発の免震重要棟(東京電力提供)
東京電力福島第1原発の免震重要棟(東京電力提供)

 東京電力福島第1原発事故の収束作業で、現場の対応拠点として重要な役割を果たした「免震重要棟」は、10年前の新潟県中越沖地震で柏崎刈羽原発が想定を超える揺れに襲われ、初動対応に支障が出た教訓からつくられた。電力各社は第1原発事故後、再稼働を目指す原発で免震構造の事故対応拠点「緊急時対策所」の導入を試みたが、厳しくなった地震に関する基準を満たせず、耐震構造への変更を余儀なくされている。

 ▽「ぞっとする」

 「あれ(免震棟)がなかったら、と思うとぞっとする」。第1原発事故当時、東電の社長だった清水正孝氏は国会事故調査委員会の参考人聴取で、そう語っていた。

 免震構造は、建物と地盤の間に設置したゴムなどの装置で建物内に伝わる揺れを低減する。室内の備品などの破損を防ぎ、作業員の居住性も高まる利点がある。一方で、一般の建築物に比べて大きな地震の揺れに備える必要がある原発施設への導入実績は乏しい。原子炉建屋などは、基礎を強固な岩盤に固定し、柱や壁などを頑丈にして強度を高める耐震構造が採られている。

 ▽新基準

 2013年7月に施行された原発の新規制基準は緊急時対策所について「耐震設計で目安とする基準地震動に対して、機能を喪失しないこと」を求めているが、免震か耐震かは定めていない。

 これまでに原子力規制委員会の審査に合格した6原発の緊急時対策所はいずれも耐震構造だ。しかし当初は、審査中も含むほとんどの原発が第1原発事故を踏まえ、免震構造にする計画だった。

 14年9月に審査合格一番乗りとなった九州電力川内(せんだい)原発(鹿児島県)は将来的に免震棟を建てる前提で、広さが3分の1未満の耐震施設を代替対策所として、15年8月以降に2基が再稼働した。

 しかし地震の揺れの解析を進めた結果、既存の免震装置は揺れに耐えられず、高性能な装置を一から開発する必要があることが判明。九電は再稼働後、免震棟の建設を同年12月に撤回し、耐震の対策棟を新設することにした。

 ▽再検討

 福井県内の3原発が合格した関西電力も対策所は全て耐震で、今後、対策所を後方支援する免震棟を建設する方針だ。

 また、審査申請時に既に完成していた免震棟が耐震性不足となった四国電力伊方原発(愛媛県)は、耐震の対策所を新設して再稼働。日本原子力発電と東京、北陸、中部、中国の各電力はそれぞれ審査を受けている原発に免震棟を設置済みだが、耐震施設を増設するなどして対応する。

 東北電力は審査途中で、2原発の対策所を免震から耐震に変更。北海道電力は事故時の対応拠点を集約する新設の建物を当初は免震とする予定だったが、耐震への変更を視野に再検討している。


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