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高浜原発の広域避難検討めど立たず 京都、滋賀の合意得られず

  • 2015年9月11日
  • 15:24
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 再稼働の手続きが進む関西電力高浜原発(福井県高浜町)で事故が起きた際の広域避難について、国と関係自治体が対応を取りまとめる「地域原子力防災協議会」の開催日程が見えない状況が続いている。内閣府の防災担当者は7月に「検討はほぼ終わった」としていたが、同原発の30キロ圏に含まれる京都府や滋賀県などと「合意を得る調整が続いている」からだ。県境をまたぐ広域避難体制を早期につくることは重要な上、再稼働の前提ともなるため、福井県関係者は国の調整を注視している。


 ■伊方エリア既に終了

 地域原子力防災協議会は、原発から30キロ圏内の自治体の避難計画や国の緊急時の対応をまとめる枠組み。同協議会で確認した後、再稼働前に政府の原子力防災会議で諮る流れだ。高浜3、4号機の再稼働に向けた地元の同意手続きでは、野瀬豊高浜町長が協議会の開催を条件に挙げている。高浜に次いで原子力規制委員会の審査が進む四国電力伊方原発(愛媛県)エリアの協議会は8月26日に開かれた。

 福井県の原発エリアの協議会は、福井、京都、滋賀、岐阜の4府県とオブザーバーの関西広域連合で構成。昨年12月から高浜原発の分科会を置き、同原発周辺の広域避難体制を詰めている。

 これまでに▽30キロ圏の福井県住民の避難時に被ばくの有無を調べる汚染検査場所のうち、京都府内の候補地の追加設定▽バスや福祉車両の確保▽避難時間の推計を踏まえた避難ルートの運用の検討―などを主な課題として調整してきた。

 7月9日に開かれた県会原発・防災対策特別委員会では、参考人として呼ばれた内閣府の防災担当者が「高浜の分科会での検討がほぼ終わり、最終調整を行っている」と強調した。福井県も「本県関係の主な課題はおおむね検討を終えている」との認識だ。

 ■テロ時の避難に疑問

 にもかかわらず協議会の開催日程が決められない背景にあるのは、京都や滋賀との調整だ。

 京都府は8月31日、高浜原発から30キロ圏の府内7市町の首長らとつくる地域協議会を開き、避難計画や原発の新規制基準の安全性などについて議論。「テロで原発が破壊された場合、事故時の避難方法で対応できるのか」といった疑問の声が出て、引き続き検討課題になったという。

 京都の地域協議会の動向は高浜原発の再稼働に向けた国の対応に影響するとみる向きもある。

 一方、滋賀県は、住民避難の基本手段とするバス避難の汚染検査の方法などで「まだまだ国と詰めないといけないところがある」(県原子力防災室)としている。

 ■仮処分も影響?

 内閣府の杉本孝信参事官(地域防災・訓練担当)は、地域原子力防災協議会の開催日程について「申し上げる段階ではない。関係自治体が複数あり、合意になったら開きたい」と慎重な口ぶりだ。

 京都や滋賀が挙げる課題に関しては「調整は最終段階。避難の実効性を高めるために継続的に努力していかなければならないところもある」と述べ、両府県に理解を求めていくとした。

 福井地裁が運転差し止めを命じた仮処分決定をめぐる異議審の行方や、規制委の審査日程が見通せないことも影響しているとの見方も強い。

 嶺南地方のある県議は「高浜原発の再稼働時期が見通せない中、協議会開催のタイミングもなかなか計れないのではないか」としつつも「国の対応が鍵を握る」と強調した。

地域原子力防災協議会

 政府が原発の再稼働に備えて今年3月、自治体の避難計画の実効性を高めるために新たにつくった枠組みで、原発のある全国の13地域ごとに協議会を設置した。立地や周辺の道府県の副知事と関係省庁の審議官らで構成。避難手段の確保や国の実動部隊の支援、要支援者対策などの具体化に向け調整する。福井県はこの枠組みができる前の2012年12月、国や京都、滋賀、岐阜の各府県、関西広域連合と協議会をつくり、広域避難について検討してきた。


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