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もんじゅ廃炉、尽きぬ懸念 地元「実効性は未知数」

  • 2017年5月21日
  • 09:39
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 もんじゅ廃炉体制を西川一誠福井県知事や渕上隆信敦賀市長が理解したことに、松野博一文科相は「政府が各種の監視、指導体制をしっかりつくると表明してあることが、理解につながった」と表現した。政府一体で廃炉に取り組む“決意”を具体化したことで、地元がこだわった廃炉体制はおおむね決着した。ただ、この体制がどこまで有効に機能するかなど、懸念は尽きない。


 ■「満額回答」

 昨年12月に政府がもんじゅ廃炉を決定した際、廃炉体制については▽政府一体となった指導監督▽第三者による技術的評価▽国内外の英知を結集―の3点を構築すると明記した。ただこれらは、もんじゅ運転再開のための体制と大差がなかった。

 特に地元が懸念を示したのは、政府一体の指導監督だ。政府のもんじゅ廃炉総括には「マネジメントに問題があった」とある。責任の所在があいまいなまま、これまでの体制の延長で廃炉を進めることは許されず、国が一元的に責任をとるべきだとの姿勢だ。

 そこで政府は、内閣官房副長官をトップとする廃止措置推進チームを新設。「各省の総合調整を行う内閣官房の関与は、政府一体となってもんじゅ廃炉を推進することを担保する」(文科省)とした。推進チーム内に現地対策チームを置き、敦賀市で月例会合を開くことも盛り込んだ。「東京で物事を決めるな」と地元から反発を受けた反省を生かした形だ。

 これらとは別に、原子力機構の組織監督を強化するため文科省内に特命チームを設置、文科省の責任も明確化させた。第三者の専門家会合や、原子力機構の廃炉部門は自主的運営をさせることも明記した。「地元の要求にほぼ満額回答だ」と地元関係者は明かす。

 ■専門家、海外協力は?

 こうした政府の回答を受け、地元は枠組み自体には理解を示した。ただ同時に、西川知事や渕上市長は「形だけの整備ではいけない」とも注文。画餅の域を出ない体制の実効性を要求した。

 懸念は実効性だけではない。第三者の専門家会合はメンバーが不明のまま。もんじゅ同様の原子炉の廃炉実績があるフランスなど、海外の協力が本当に得られるかも明らかになっていない。メーカーや電力事業者が、もんじゅ廃炉にどれだけ関与を強めるかも未知数だ。

 県幹部は「県として、実効性は常に見ていく」と語る。今後、まずは政府推進チームが練り上げた廃炉基本方針、基本計画に意見。実際に廃炉作業が始まれば、現地対策チームに地元として注文を付けることになるという。

 ■使用済み燃料も課題

 廃炉体制がうまく機能したとしても、使用済み燃料や冷却剤ナトリウム、放射性廃棄物の処分が大きな壁として立ちはだかる。敦賀市は再三、敷地外搬出の工程を明らかにするよう求めている。西川知事も20日、国の責任で県外搬出する計画をつくるよう要求した。松野文科相は「基本的に敷地外搬出。基本方針や基本計画の中で明示する」とした。しかし、具体的なスケジュールが示せるかは見通せない。

 廃炉が進む原子力機構の新型転換炉ふげん(敦賀市)では、燃料搬出の工程を一度遅らせた上、その期限さえ守れない状態に陥っている。「もんじゅがふげんの二の舞にならないか」との警戒は根強い。


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