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病院や施設、移動難題 原発の行方・第8章(7)

  • 2013年11月9日
  • 14:48
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 福井県原子力防災総合訓練で自衛隊車両に乗り込む福井県美浜町の丹生小児童。一般住民より早い段階での避難となるが、保護者への引き渡しが課題となっている=2013年6月16日、同町丹生
 福井県原子力防災総合訓練で自衛隊車両に乗り込む福井県美浜町の丹生小児童。一般住民より早い段階での避難となるが、保護者への引き渡しが課題となっている=2013年6月16日、同町丹生

 災害時要援護者をどう避難させるか。東京電力福島第1原発事故が突きつけた重い課題だ。

 事故当時、第1原発から5キロ圏内の双葉病院(福島県大熊町)には、系列の介護福祉施設を含め多数の入院患者や入所者がいた。救助は遅れ、過酷な移動で体力を奪われるなどして半月内に約50人が亡くなった。

 オフサイトセンターの住民安全班長として救助を支援した同県の高田義宏土木部主幹は「当初は寝たきりの患者を院内で退避させる判断だった。だが放射線量が高くなり、自衛隊のバスなどで急きょ運んだ。しかも避難先が遠方の高校体育館だった」と振り返る。搬送や避難先で十分な治療環境が確保できなかった。

 国が避難指示した20キロ圏内の病院や社会福祉施設でも、同様の悲劇が起きた。

 改定した福井県の原子力防災計画では、5キロ圏内の要援護者への避難指示を一般住民よりも早い段階で発令するよう規定。病院患者や施設入所者の避難先となる病院や施設、搬送手段を指定した。さらに逃げ遅れを考慮し、圏内のすべての病院、施設で放射線防護の対策工事を進めている。

 一方で5〜30キロ圏の病院、施設の避難計画は手つかずのままだ。国は昨年12月、圏内の病院・施設管理者に対し、避難先や経路、搬送に必要な医療資機材の確保などをまとめた計画を作成するよう求めた。

 しかし病院や施設は避難計画をつくるノウハウがなく対応に苦慮している。県もまだ圏内の対象施設を絞りきれず、計画作成を支援する指針づくりを検討している段階で具体化していない。

 関西電力大飯原発から10キロ圏の杉田玄白記念公立小浜病院(福井県小浜市)は、嶺南最大の456床を抱える。北原幹三事務部長は「いま事故が起こっても、どこに避難していいか分からない。入院患者400人弱をすべて移動させるのは容易ではない」と困惑気味だ。

 患者数の多さから避難先は複数の病院になる上、搬送手段、医療資機材を含めて病院単独で計画をつくるには限界があるとし、「県外避難を含めて国の強力なリーダーシップがないと決まらない」と訴える。

 要援護者には学校の子どもたちも含まれる。5キロ圏内は病院や施設と同様、早い段階での避難となる。6月の県原子力防災総合訓練では、福井県美浜町の2小学校が、指定された30キロ圏外の避難先に集団避難した。

 参加した丹生小の木子雅之教頭は、保護者への引き渡しが一番の課題だとする。「どう保護者と連絡を取り、どこで引き渡せるのか。最後まで学校の責任となるだろうが、非常に難しい」。県の避難計画には引き渡し場所や方法が指定されておらず「児童と親を引き離す形の避難計画になっており、スムーズに親元に戻す方法を当然計画に入れるべきだ」と指摘した。


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