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使用済み燃料行方、全く見通せず 高浜原発課題は〜3、4号再稼働(下)

  • 2017年5月18日
  • 10:45
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高浜原発4号機の使用済み燃料プール。高浜4基が再稼働すれば、6〜7年で満杯になる=4月28日、福井県高浜町田ノ浦の高浜原発
高浜原発4号機の使用済み燃料プール。高浜4基が再稼働すれば、6〜7年で満杯になる=4月28日、福井県高浜町田ノ浦の高浜原発

 関西電力高浜原発(福井県高浜町)の4基が動けば、使用済み燃料プールが満杯になるまで、わずか6〜7年。原発の再稼働に向けた安全向上対策は進んでいるが、本来再稼働と表裏一体であるはずの使用済み燃料の行方は全く見通せていない。「トイレなきマンション」のまま、高浜4号機は再稼働を迎えた。

 関電は使用済み燃料を県外で中間貯蔵する方針で、2020年ごろに施設の立地地点を特定し、30年ごろの稼働を目指している。関電の森中郁雄原子力事業本部長代理は4月、県庁で清水英男安全環境部長と面談した際、「5千回以上、自治体などに訪問説明している」と問題解決へ向けた積極姿勢を示した。

 ただ関電は既に、京都府には設置しない方針を示している。福井県の西川一誠知事は4月、関電の岩根茂樹社長に「どのような体制でいつまでに実現するのか。原発全体の基本が成り立たない」と不快感を示した。訪問説明の回数が多ければ多いほど、裏を返せば受け入れ先がない証拠でもある。

 高浜の2基が再稼働すると、燃料プールは中間貯蔵施設の完成前に満杯になる可能性もある。関電が第一の搬出先としているのが、18年度上期に操業予定の青森県六ケ所村の再処理工場だ。工場の年間最大処理能力は、高浜2基より大型の100万キロワット級原発約40基分。原子力規制委員会の審査は終盤を迎えており、稼働すればひとまずプールが満杯になる事態は避けられる見通しだ。

 しかし、再処理で生まれるプルトニウム・ウラン混合化合物(MOX)燃料の扱いは不透明だ。高速増殖原型炉もんじゅ(福井県敦賀市)の廃炉で、高速増殖炉での活用は見通せない。当面は高浜原発などの軽水炉でプルサーマル利用を進めるが、再処理のめどは全く立っておらず、燃料プールや中間貯蔵施設にたまり続ける。

 国が言うように原発を稼働すれば、使用済み燃料は増えていく。

 使用済み燃料を含む高レベル放射性廃棄物(核のごみ)について日本学術会議は15年、最終処分場完成までの50年間だけ、電力事業者ごとに原発立地地点以外の場所に暫定保管施設を建設すべきだと提案した。取りまとめの中心となった今田高俊・東工大名誉教授は「理解促進に王道はない。時間をかけて議論を尽くし、立地地点以外の住民を説得するしかない」とする。

 一方、エネルギー問題に詳しい東京理科大の橘川武郎教授は「オンサイト(原発敷地内)での中間貯蔵しか解決方法はない」とみる。「核のごみ処理は電力消費地に責任がある」とした上で、「保管料を電力料金に上乗せして立地地域に支払う一方で、廃炉となった原発の送電線を使ったLNG発電所の建設など、エネルギー構造の転換につなげるのが現実的」と主張。また「最終処分場の立地地点を特定しやすくするよう、保管期間を短くする技術開発が必要だ」と強調した。

 貯蔵方法では意見の割れた2人の専門家が一致した点がある。「国が責任を果たしていないのが一番の問題」ということだ。原発の再稼働に突き進む国と事業者だが、責任の所在があいまいなまま、立地地域は振り回され続けている。


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